最新記事

中国

中央経済工作会議「習近平重要講話」の「三重圧力」に関する誤解と真相

2021年12月24日(金)18時55分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)
習近平

習近平中共中央総書記 Carlos Garcia Rawlins-REUTERS

8日から中共中央政治局が開催した中央経済工作会議で習近平が問題点を「三重圧力」として警告した。これに関して日本の某氏が「習近平体制転覆の可能性」と書いたので一部混乱を招いているようだ。某団体から講演依頼を受け説明を求められたので、不本意ながら解説する。

中央経済工作会議における習近平の重要講話:「三重圧力」指摘

中共中央政治局は、12月8日から10日にかけて中央経済工作会議(以下、会議)を開催した。主催したのは中共中央総書記である習近平で、中共中央政治局委員をはじめ、全人代(全国人民代表大会)や全国政治協商会議の関係者および各地方政府の代表などが出席した。

この会議は毎年12月に開催され、先ずはその年の中国経済に関して総書記(現在は習近平)が問題点の指摘や総括などを含めた講話をし、次に(後半で)国務院総理(現在は李克強)が翌年の経済目標などに関して講和するという順番になっている。その結果を毎年3月5日に開催することになっている全人代で国務院総理がその年の経済方針として発表するという仕組みだ。

習近平が招集したので、まずは習近平が前半の重要講話を行い、1年間の経済状況の総括をするとともに、現在の問題点として「三重圧力(三重苦)」を指摘し、これを警戒し解決に向かって来年の経済計画に反映させよという趣旨のことを述べた。

党と政府の「公報」では「会議は」という主語しかないが、先ず述べられたのが「三重圧力」であるということと、これは今年の問題点指摘と総括部分の話なので、習近平が述べたものと断定することができる。

この「三重圧力」として習近平は以下の三つを挙げている(筆者の解釈を含めてご紹介する)。

1.需要の縮小(中国語:需求収縮)

需要には内需と外需があるが、中国以外の国におけるコロナ感染が落ち着きを見せ経済復帰しつつあるため、それまでに海外から殺到した需要が減少していく可能性があるので、内需を充実させよ。コロナによる買い控えにより消費が減少している。一方では海外におけるサプライチェーンの停滞にも警戒せよ(筆者注:たとえばアメリカにおける過度のコロナ給付金により働く人が少なくなって、中国は受注を受けてもアメリカのコンテナが動かないので、中国からの物資をさばけないなどの情況もある)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米の広範囲に大寒波、100万戸が停電 1万1000

ビジネス

前場の日経平均は反落、1000円超安 円高進行を嫌

ワールド

アングル:米レートチェック観測で市場動揺、円キャリ

ワールド

金現物が5000ドル突破、最高値更新 地政学的な緊
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 6
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中