最新記事

南アフリカ

南アフリカのズマ前大統領「警察に出頭」が意味するもの

2021年7月12日(月)17時25分
エリオット・ハノン
ズマ前大統領

汚職疑惑のズマ前大統領がついに出頭 ROGAN WARDーREUTERS

<今もズールー人から高い支持を得ており、汚職疑惑をめぐる取り調べを拒んでいたが、これで15カ月の禁錮刑に服すことになる。与党には打撃となるが......>

在任中の汚職疑惑をめぐる取り調べを拒んだため、法廷侮辱罪で有罪を言い渡されていた南アフリカのズマ前大統領が、逮捕期限となる7月7日に警察に出頭した。

15カ月の禁錮刑に服すことになる。

ズマの収監は与党・アフリカ民族会議(ANC)に打撃となったが、同時に「民主的な法の支配」が健在であることを実証することになった。

ズマは南アのアパルトヘイト(人種隔離政策)体制打破において並外れた役割を果たした。ネルソン以降4人目の大統領として議会制民主主義への移行に貢献したが、数々の汚職疑惑に付きまとわれた。

その縁故主義政治の悪名にもかかわらず、ズマは今も南ア最大の民族集団ズールー人から高い支持を得ている。

出頭数日前にも集会を開き、自らの現状をアパルトヘイト時代の迫害にも例えていたが、ANC幹部らの説得で次第に主張を弱めるように。暴力事件の発生も危ぶまれたものの、身柄引き渡しはスムーズに行われた。

©2021 The Slate Group

【話題の記事】
アフリカで外国による軍事基地建設ラッシュが起きているのはなぜか
写真特集:南アフリカに今も残る街の分断
アフリカ支援を渋りはじめた中国──蜜月の終わりか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、政治暴力やヘイトスピーチ規制の大統領令準備

ビジネス

ファーウェイ、チップ製造・コンピューティングパワー

ビジネス

中国がグーグルへの独禁法調査打ち切り、FT報道

ビジネス

ノボ、アルツハイマー病薬試験は「宝くじ」のようなも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中