最新記事

北朝鮮

朝鮮労働党が「第1書記」設置 金正恩総書記に次ぐ事実上のナンバー2

2021年6月1日(火)18時26分
北朝鮮の金正恩総書記

北朝鮮の朝鮮労働党が党規約を改正し、金正恩氏(写真)が務める総書記に次ぐ事実上のナンバー2である「第1書記」のポストを設置した。提供写真(2021年 ロイター/KCNA)

北朝鮮の朝鮮労働党が党規約を改正し、金正恩氏が務める総書記に次ぐ事実上のナンバー2である「第1書記」のポストを設置した。韓国の聯合ニュースが1日、北朝鮮に詳しい消息筋の話として報じた。

第1書記は、金正恩氏の委任を受けて会議を主宰できるとした。

金正恩氏は1月の党大会で、父親の故・金正日氏が使った呼称を復活させ、総書記に就任した。第1書記は、金正恩氏が2012─16年に使用した肩書。

報道によると、金正恩氏は金正日時代の軍中心の体制に比べ、政治における党の役割を強めたい考えだという。「党の規約序文から、金正日時代の重要語である『先軍政治』が削除されたと考えられている」とした。

韓国統一省は、新たな党規約は1月の党大会後に北朝鮮で公表されたが、同省は詳細を公表できないとの声明を出した。

聯合ニュースによると、第1書記には金正恩氏の最側近の1人である趙甬元・党政治局常務委員が就任した可能性が高い。

北朝鮮の動向を分析している米国を拠点とするシンクタンク、38ノースのフェロー、レイチェル・ミンヨン・リー氏は「北朝鮮には、金正恩氏の責務の一部を他者に委任・再配分し、党の指導体制を合理化しようとする流れがあるようだ」と指摘。今後、金氏の公的な活動や、指導方針がどのように国民に伝えられるかに影響する可能性があるとした。趙氏は既に、党の会議を主導する役割を担っている、とも述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ミャンマー国軍が「利益に反する」クーデターを起こした本当の理由
・ミャンマー軍政を揺るがすミルクティー同盟──反独裁で連帯するアジアの若者たち


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

物価は再び安定、現在のインフレ率は需給反映せず=F

ワールド

ハセット氏のFRB議長候補指名、トランプ氏周辺から

ワールド

ゼレンスキー氏と米特使の会談、2日目終了 和平交渉

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 6
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 10
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中