最新記事

感染症対策

欧州でアストラゼネカのコロナワクチン接種再開相次ぐ、英仏首相も 北欧は慎重

2021年3月20日(土)12時38分

欧州規制当局が英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンが「安全かつ有効」との認識を示したことを受け、フランスやドイツ、イタリアなどの欧州各国のほかインドネシアなどが同社製ワクチンの接種を再開、もしくは再開する方針を表明した。写真は3月14日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

欧州規制当局が英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンが「安全かつ有効」との認識を示したことを受け、フランスやドイツ、イタリアなどの欧州各国のほかインドネシアなどが19日、同社製ワクチンの接種を再開、もしくは再開する方針を表明した。

欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)は18日、アストラ製ワクチンについて、接種後に血栓ができるなどの報告事例に関する調査を行った結果、引き続き利点がリスクを上回るという「明確な」結論に至ったと表明した。

英国ではジョンソン首相が19日、1回目のアストラ製ワクチン接種を受けた。ジョンソン氏は約1年前に新型コロナに感染し、集中治療室で酸素吸入を受けた。

フランスでも、カステックス首相がアストラ製ワクチンを接種する様子をテレビで生中継し、同ワクチンへの信用回復に努めた。

仏保健当局は接種再開に当たり、アストラ製ワクチンの接種対象を55歳以上とする方針を発表。若年層で血栓ができるリスクが高いことへの懸念が背景にある。

ドイツでも19日朝、3日間停止していたアストラ製ワクチンの接種を再開。スペインとオランダは来週から接種を再開する計画。

また、イタリアのドラギ首相もアストラ製ワクチンを受ける考えを示した。

一方、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーは、接種再開の判断にはさらなる時間が必要とし、慎重な姿勢を維持した。

欧州以外では、カナダがアストラ製ワクチン接種に支持を表明したほか、インドネシア保健当局は「新型コロナ感染症による死亡リスクの方がはるかに高い」とし、週明け22日から接種を再開すると発表した。

こうした中、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、アストラ製ワクチンの接種を各国に呼び掛け、ワクチン平等分配のための枠組み「COVAXファシリティー」で同社製が9割以上を占めていることから「特に重要だ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 10
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中