最新記事

トランプ

弾劾裁判で無罪になってもトランプにのしかかる刑事訴追リスト

Impeachment Manager Lists All the Criminal Charges Trump Could Still Face

2021年2月19日(金)16時09分
ジェフリー・マーティン

ウィリスは18日、地元テレビ局のWSBに対して、トランプに対する捜査には「先入観を持たずに」取り組んでいると説明。トランプが特定の法令に違反したことが事実によって裏付けられた場合には、訴追すると述べた。

「法律に違反した者は社会的地位や経済力、人種やジェンダーに関係なく、誰であれ訴追されることになる」とウィリスは述べ、「誰も特別扱いすることはない」とつけ加えた。

ニューヨーク州の司法当局は、約500の企業を擁するトランプ一族のグループ企業「トランプ・オーガニゼーション」について、税制上の優遇措置を受けるなどの目的で一部資産の価値を水増しした疑いで捜査を行っている。

1月にはニューヨーク州最高裁が、トランプ・オーガニゼーションを代表する法律事務所に対して、追加の資料を州司法長官事務所に提供するよう命じた。レティシャ・ジェームズ司法長官は1月、地元テレビ局のNY1に対して、「捜査は現在も続いている」と述べた。

脱税や詐欺行為の疑惑も

ロイター通信によれば、マンハッタン地区のサイラス・バンス検事長はトランプ・オーガニゼーションの脱税疑惑や保険関連の詐欺行為について捜査を進めている。バンスは2019年、トランプの会計事務所であるマザーズUSAに対して召喚状を出し、トランプの8年分の納税記録を提出するよう要求。トランプ側は納税記録の開示を回避すべく連邦最高裁に申し立てを行っており、2021年中に判断が下される見通しだ。

(歴代大統領と違ってトランプは、あれこれ口実をつけては納税記録の開示を拒み続け、とうとうそのまま退任してしまった)。

2019年には、トランプ・オーガニゼーションが外国政府との取引によって利益を得ることは、合衆国憲法の報酬条項違反にあたるとして、複数の民主党議員がトランプを訴えた。この訴えは2020年2月、コロンビア特別区巡回区控訴裁判所によって棄却されている。

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏「6歳児と戦っている」、大統領選巡りトラ

ワールド

焦点:認知症薬レカネマブ、米で普及進まず 医師に「

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中