最新記事

北朝鮮

金正恩、朝鮮労働党総書記に 与正は政治局員リストから外れる

2021年1月11日(月)14時45分

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は11日、金正恩朝鮮労働党委員長が10日の党大会で党総書記に選出されたと伝えた。写真はKCNAが11日提供。(2021年 ロイター)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は11日、金正恩朝鮮労働党委員長が10日の党大会で党総書記に選出されたと伝えた。一方、正恩氏の妹の金与正氏は、党政治局員候補から外れた。

正恩氏は父親の故・金正日総書記の肩書を引き継いだことになる。おおむね象徴的な動きだが、正恩氏の権力基盤をいっそう固める狙いがあるとみられる。

KCNAによると、党大会は党総書記を「革命の先頭および指導と結束の中心」と位置付け、正恩氏を党総書記とする案を「全面的に承認」した。

北朝鮮大学院大学(ソウル)の梁茂進教授は「正恩氏が父親の肩書を引き継いだのは、父親や祖父(金日成主席)の地位に正式に加わったという自信の表れだ。また党のシステムを自分の周りに集約化させ独自支配を強化するという戦略的意図もうかがわれる」と述べた。

与正氏は政治局員リストから外れる

KCNAによると、与正氏は、引き続き党中央委員を務めるが、政治局員リストには入っていない。同氏はここ数年、影響力を急速に増し正恩氏の秘書的役割を担い、韓国特使や党第1副部長を務めていた。

韓国・慶南大学のLim Eul-chul教授は、与正氏の地位について「依然中央委員会のメンバーであり、他の重要ポストも担っており、結論を出すのは時期尚早だ」と述べた。

正恩氏の側近とされる趙甬元氏は指導部に相当する政治局常務委員に選ばれるとともに党中央軍事委員会にも入った。

失敗に終わった2019年の米朝首脳会談の準備調整役だった崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は降格となった。

韓国の文在寅大統領は11日の新年の辞で、北朝鮮への働きかけを続ける方針を表明。「対話と共に繁栄することが朝鮮半島の和平プロセスを重要なけん引役」と述べた。

正恩氏は党大会中、米国を「最大の敵」と位置付け、新大統領が就任しても北朝鮮に対する敵対政策は変わらないという考えを示し、軍事装備の研究開発と核兵器増強をさらに推進する方針を示した。

文大統領は、バイデン次期米政権と緊密に協力する方針を示し、2022年の任期切れまで、途絶えている米朝協議や南北協議の再開に注力する方針を示した。

*金与正氏に関する情報や韓国大統領の発言などを追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 総力特集:ベネズエラ攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月20号(1月14日発売)は「総力特集:ベネズエラ攻撃」特集。深夜の精密攻撃で反撃を無力化しマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ大統領の本当の狙いは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中