最新記事

感染第2波

「全米の新型コロナ死者、年末までに累計41万人に倍増」ワシントン大

2020年9月5日(土)10時45分

米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)は米国の新型コロナウイルス感染症による死者数が、年末までに現在の2倍強に当たる41万人に達するとの予測を発表した。写真はワシントンで8月27日撮影(2020年 ロイター/Tom Brenner)

米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)は4日、米国の新型コロナウイルス感染症による死者数が、年末までに現在の2倍強に当たる41万人に達するとの予測を発表した。

IHMEは「季節性や国民の警戒心の低下により、米国の1日当たりの死者数は12月に3000人近くに達すると見込んでいる」とし、現在の1日当たりの死者数である約850人から3倍超に増加すると見込んだ。

また、「年末までに新たに22万5000人が死亡し、来年1月1日までに予想される死者数は累計で41万人に上る」と指摘。これまでは12月1日までの累計で31万7697人と予想していた。

世界の死者数は来年1月1日までに3倍の280万人に達するとした。

一方、「マスクの着用がシンガポールで見られるレベルまで増加すれば、米国の死者数予想は累計で28万8000人に減少し、基本シナリオと比較して12万2000人の命が救われる」と言及。ただ、「マスク着用は8月上旬のピークから減少し続けている。イリノイ州やアイオワ州など感染者数が増加している州を含め、中西部全域でのマスク着用の減少が顕著」とした。

米国の1日当たりの感染者数はピークだった7月の約7万人から約4万5000人に減少しているものの、新型コロナ感染症は米国の死因として心臓病に次ぐ2番目となり、がんを上回ったという。

テキサス州、フロリダ州、カリフォルニア州などで感染率の低下が見られるが、中西部を中心とする10州では、新型コロナ感染者1人が新たに何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が依然として1を上回っており、感染が急速に広がっていることを示しているとした。

IHMEは定期的に予測を公表しており、ホワイトハウスの新型コロナ対策本部で言及されたことがある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

・ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死


20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日揮HD、純利益予想を280億円に引き上げ 工事採

ビジネス

日経平均は反落、買い一巡後に調整 ハイテク株安い

ビジネス

出光興産、発行済み株の3.5%・300億円上限に自

ビジネス

午後3時のドルは154円前半、リスクオンで9カ月ぶ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 7
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入…
  • 8
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中