最新記事

日本政治

西村再生相「国土強靭化、骨太方針2つ目の柱に位置付けたい」 九州の水害念頭に

2020年7月13日(月)10時35分

西村康稔経済再生担当相(写真)は7月12日午前のNHK「日曜討論」に出演し、政府が現在策定中の経済財政運営の指針である「骨太の方針」に関連し、国土強靭化も新型コロナウイルス対策に次ぐ2つめの柱だと強調した。2019年9月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

西村康稔経済再生担当相は12日午前のNHK「日曜討論」に出演し、政府が現在策定中の経済財政運営の指針である「骨太の方針」に関連し、国土強靭化も新型コロナウイルス対策に次ぐ2つめの柱だと強調した。8日に政府が公表した原案をめぐり、九州などが水害の渦中にあるにもかかわらず国土強靭化関連の記述が不十分との意見が与党内に出ており、今後の政府側の対応が注目されている。

西村再生相は日曜討論で「骨太方針を今週中にも策定すべく調整を行っており、大きな柱は、コロナの後の新しい社会、経済の姿の基本像を示すことだが、これだけ毎年頻繁に大きな災害が発生し激甚化しており、この頻発化・激甚化する災害に対する取り組み、すなわち国土強靭化、そして防災・減災も、国民の命や財産を守るという観点から、もう1つの大きな柱として位置付けたい」と強調した。

政府は8日、「骨太の方針」の原案をまとめ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援策がオンライン手続きの混乱などで遅れたことを踏まえ、年金や各種給付金の申請・受け取りにマイナンバーカードを活用してオンラインで完結する仕組みなどを盛り込んだ。西村再生相は記者会見で「一丁目一番地でデジタル化を加速して進める」と語っていた。

これに対し自民、公明両党では9日、「骨太の方針」をめぐり、現状は2020年度が最終年度となっている3カ年の国土強靭化緊急対策の延長・拡充を求める声が相次いだ。10日には公明党の斉藤鉄夫幹事長が記者会見で「政府の防災・減災に対する認識は甘い」と批判。政府が14日に公表予定の骨太修正案にこれら与党からの批判をどう吸収するかが注目されている。

(竹本能文※)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・東京都、新型コロナ新規感染は昨日を上回り243人 2日連続200人台は初の事態
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「カザフスタンで新型コロナより深刻な肺炎が流行」と中国大使館が警告 カザフ当局は「フェイクニュース」と否定
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200714issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英建設業PMI、11月は39.4 20年5月以来の

ワールド

ウクライナ軍撤退なければ、ドンバス地方を武力で完全

ビジネス

アングル:長期金利2.0%が視野、ターミナルレート

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中