最新記事

米中関係

米当局、中国共産党幹部へのビザ発給制限 香港安全法制めぐり圧力強化

2020年6月27日(土)11時23分

ポンペオ米国務長官は26日、香港の自治制限に関与した疑いがある中国共産党当局者に対するビザ発給を制限すると発表した。写真は中国の国旗(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

ポンペオ米国務長官は26日、香港の自治制限に関与した疑いがある中国共産党幹部に対するビザ発給を制限すると発表した。

ポンペオ長官は声明で「トランプ大統領は香港の自由の抑圧に関与した中国共産党当局者に対する措置を講じると表明していた。きょう、その措置を講じる」とし、「香港の高度な自治の制限に関与した疑いのある中国共産党の現職の当局者、および元当局者に対するビザ発給を制限する」と表明した。ただ具体的に制限の対象となる人物は特定しなかった。

その上で、中国に対し香港に「高度な自治」を認める確約を順守するよう呼び掛け、米国はこうした懸念への対応の検証を継続するとした。

前日には米議会上院が、香港の自治の制限に関与した個人や企業に制裁を科すことを定めた香港自治法案を可決したばかり。

中国全国人民代表大会(全人代)は5月28日、香港への統制を強める「香港国家安全法」の制定方針を圧倒的賛成多数で採択。その後、国営新華社通信が全人代常務委員会は6月18日に始まった会議で審議を始めると伝えたが、採決時期は不明。

こうした中、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国当局者の話として、米国が「一線を越える」なら通商合意は危機にひんする恐れがあると報道。米国が香港や台湾などの問題に「干渉」すれば中国の米国製品購入は損なわれかねないとした。この報道を受け、26日の米国株式相場は大幅安の展開となった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナに感染して免疫ができたら再度感染することはない?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、レアアース磁石の輸出手続き9月から厳格化 4

ワールド

韓国、対米投資協議で「大きな進展」=企画財政相 

ビジネス

英賃金上昇率、22年5月以来の低水準 雇用市場に安

ワールド

インドネシア大統領、トランプ氏に「エリックに会える
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 9
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 10
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中