最新記事

感染症

中国、新型コロナの死者500人に迫る 24カ国で約2万5000人が感染

2020年2月5日(水)18時10分

中国国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスによる肺炎について、中国本土の死者が4日時点で65人増え、計490人になったと発表した。写真は横浜港沖に停泊するクルーズ船。乗船者のなかの10人に新型ウイルスの陽性反応が出た。4日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

中国国家衛生健康委員会は5日、新型コロナウイルスによる肺炎について、中国本土の死者が4日時点で65人増え、計490人になったと発表した。

本土の感染者は3887人増え、計2万4324人となった。

本土以外では、香港で4日、湖北省武漢を訪問した基礎疾患を持つ39歳の男性が死亡。フィリピンでも先週、武漢を訪問した男性が亡くなった。

香港で初の死者が出たことを受けて、米国のアメリカン航空グループとユナイテッド航空は4日、香港便の運航を停止すると発表。

加藤勝信厚生労働相は5日、横浜港沖に停泊しているクルーズ船の乗客乗員3700人のうち273人の検査を行い、現在結果が出ている31人のうち、10人から新型ウイルスの陽性反応が出たことを明らかにした。

世界保健機関(WHO)によると、その他24カ国・地域で計176人の感染が報告されている。

香港に入港したクルーズ船「ワールドドリーム」号でも現在、乗員・乗客1800人以上が検査を受けており、下船できない状況となっている。

ワールドドリーム号では3人のウイルス感染が確認されている。台湾の高雄港で4日、入港を拒否され香港に入港した。

香港当局は乗客がいつ下船できるのか現時点では不明としている。同号はドリームクルーズが運航している。

経済への影響拡大

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は4日、感染拡大の影響で、「第1段階」通商合意で期待される対中輸出の拡大が後ずれすると予想した。一方、企業のサプライチェーン(供給網)に対し、壊滅的な影響は与えないとの見方を示した。

4日の金融市場は総じて落ち着きを取り戻したが、香港ではキャセイ・パシフィック航空が、今後2カ月で世界の輸送能力の約30%を削減すると表明。中国本土行きの便については約90%削減する方針を示した。

香港では4日、医療関係者のストライキが2日目に突入。香港政府に対し本土との境界を封鎖し、感染拡大を阻止するよう求めている。

香港ではこれまでに約17人の感染が確認されている。

マカオ政府は4日、カジノ事業者に対し、感染拡大を阻止するため営業停止を指示した。

5日のアジア株式市場は、中国政府が追加の景気対策を打ち出すとの期待を背景に落ち着いた値動きとなっている。MSCIアジア太平洋株価指数(日本を除く)は0.3%高。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ジャクソンホール会議、8月22─24日に開催=米カ

ビジネス

米国株式市場=最高値更新、CPI受け利下げ期待高ま

ビジネス

米シスコ、5─7月期売上高見通し予想上回る AI支

ワールド

ニューカレドニアに非常事態宣言、暴動の死者4人に 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 9

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中