最新記事

中東

シリアのクルド武装勢力SDF、国境地帯から撤退 シリア政府が歓迎

2019年10月28日(月)09時18分

クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」は、トルコとの国境から30キロ以上シリア側に離れた地点まで撤退することに合意したと明らかにした。写真は戦死した兵士の葬儀に参列するSDFメンバー。10月22日、シリアのカミシュリで撮影(2019年 ロイター/Muhammad Hamed)

クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」は27日、トルコとの国境から30キロ以上シリア側に離れた地点まで撤退することに合意したと明らかにした。シリアのアサド政権はこれを歓迎し、トルコはシリア北東部での「攻撃」を停止すべきだと訴えた。

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領は22日に会談し、29日までの6日間にシリアの国境警備隊とロシア軍警察がシリア北東部のクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」をトルコ国境から30キロ、シリア側に離れた地点まで退去させることで合意していた。

トルコは今月9日、トランプ米大統領がシリア北部からの米軍撤収を発表したことを受け、同地域のYPGを標的とする軍事作戦を開始していた。トルコ政府はSDFの最大構成要素であるYPGをテロ組織と見なすが、米軍は過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦でSDFと協力している。

SDFは声明で、トルコとロシアの「合意内容に沿って、シリア北東部のトルコとの国境から離れた場所で再配置を行っている。流血を停止し、シリア北東部の居住者をトルコの攻撃から守るためだ」と説明した。

その上で、ロシアに対し、シリア北東部のクルド人勢力とアサド政権との「建設的な対話」への協力を呼び掛けた。ロシアはアサド政権の最大の後ろ盾となっている。

国営シリア・アラブ通信(SANA)はシリア外務省筋の話として、「トルコが(シリア)領内での凶悪な攻撃の大きな前提」を失うことになるとして、SDFの撤退をシリア政府は歓迎すると伝えた。

シリア政府は市民が再び統合され、「シリアの国家再結束」に道を開くのを後押しする方針だと報じた。

トルコとロシアの首脳合意によると、両国の軍は29日から、シリアのトルコ国境から10キロ圏内の地域を共同で警備する見通し。

[ベイルート ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

米政府機関の一部が短期間閉鎖へ、予算案の下院採決持

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名

ワールド

焦点:トランプ政権、気候変動の「人為的要因」削除 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 7
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中