最新記事

米朝首脳会談

ハノイで開催の米朝首脳会談 トランプと金正恩の狙いと「落としどころ」

2019年2月26日(火)17時46分

米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はベトナムの首都ハノイで27、28日に2回目の首脳会談を行う。写真は、両首脳の似顔絵がついたキーホルダー。ハノイで24日撮影(2019年 ロイター/Jorge Silva)

米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はベトナムの首都ハノイで27、28日に2回目の首脳会談を行う。

米朝両国の主な狙いと落としどころをまとめた。

米国

●主要な目標

米国が実現を目指している最優先課題は北朝鮮の非核化だ。「非核化」はすべての大量破壊兵器の放棄、つまり同兵器および、同兵器の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産中止を意味する。

●落としどころ

複数の米当局者は21日、首脳会談では「非核化」の定義について北朝鮮との間で理解の共有を目指すと述べた。米政府が首脳会談後の非核化交渉について、見通しや進め方の青写真を描こうとすることも予想される。

北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル開発計画の凍結も議題になりそうだ。スタンフォード大国際安全保障・協力センターは先に、北朝鮮が昨年、核兵器5─7個分に相当するプルトニウムや高濃縮ウランを生産した可能性があるとの報告書を発表した。

北朝鮮

●主要な目標

北朝鮮は公の場で米国と国連による経済制裁の停止を求めており、首脳会談ではこの点が主な目標となる。

ただ、北朝鮮が抱く朝鮮半島の非核化の概念には、米国が韓国への「核の傘」提供を取りやめ、韓国から核搭載能力のある軍を引き上げることが含まれる可能性がある。

韓国の当局者や米議会関係者などからは、北朝鮮が韓国の駐留米軍の規模修正を求めるとの懸念が出ている。しかしトランプ大統領は22日、首脳会談で在韓米軍の縮小は議題にならないと述べた。

北朝鮮は以前から米国と平和協定を結んで関係を正常化し、朝鮮戦争終結を宣言することも望んでいる。

●落としどころ

米政府は北朝鮮の完全な非核化に先立って包括的な和平協定を結ぶことには消極的な姿勢を取っている。ただ米当局者は、より限定的な合意により緊張を緩和して連絡事務所を開設し、関係の正常化を目指すことに前向きになり得ると示唆している。

金委員長は1月、北朝鮮は「ケソン工業団地と金剛山観光事業について、いかなる前提条件や対価もなく再開する用意がある」と述べた。また委員長は、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けてさまざまな措置を講じており、米国がこうした措置に相応する具体的な行動を取るよう求めるとも述べた。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は昨年12月、北朝鮮が米国に求める「相応な行動」には、北朝鮮に対する敵対的政策の中止や制裁の解除が含まれると報じた。「敵対的政策の中止」が具体的に何を指すのかは不明。

[ハノイ 25日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプの帝国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月10号(2月3日発売)は「トランプの帝国」特集。南北アメリカの完全支配を狙う新戦略は中国の覇権を許し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    「こんなのアリ?」飛行機のファーストクラスで「巨…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中