最新記事

米ロ関係

トランプ、G20での米ロ首脳会談を急きょ中止 ウクライナ情勢受け

2018年11月30日(金)12時45分

11月29日、トランプ米大統領は今週末開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の合間に予定していたロシアのプーチン大統領との会談を中止すると発表した(2018年 ロイター/JONATHAN ERNST)

トランプ米大統領は29日、今週末開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の合間に予定していたロシアのプーチン大統領との会談を急きょ中止すると発表した。ロシアのウクライナ艦船拿捕(だほ)問題を理由に挙げた。

会談中止は、2016年大統領選でのトランプ陣営とロシアのつながりを巡る捜査が深まる中での決定となった。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ウクライナの艦船と船員がロシアから帰還していないという状況を踏まえ、予定していたアルゼンチンでのプーチン大統領との会談を中止することが最善と判断した。問題が解決した段階で、意義ある首脳会談を開催できることを楽しみにしている!」と述べた。

トランプ大統領はこれに先立ち、プーチン大統領と会談する可能性を示唆。当初記者団に対し、プーチン氏とはおそらく会談するとし「会談するのにとてもよい時期だ」などと話していた。それから約1時間後、G20が開催されるアルゼンチンに向かう大統領専用機(エアフォース・ワン)の中でツイートし、会談取り止めを表明した。

サンダース報道官は、トランプ大統領がポンペオ国務長官やケリー首席補佐官、ボルトン補佐官と会話した後、会談中止を決定したと明らかにした。

ロシア政府は会談中止のニュースを報道で知ったもようだ。

同国のペスコフ報道官はRIA通信に対し、トランプ大統領の決定を遺憾とした上で、ロシア側はトランプ氏と接触する用意があると述べた。また「会談中止は重要な国際問題を巡る協議が無期限に延期されることを意味する」と述べた。

この日は、トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン被告が、トランプ財団のモスクワ不動産事業を巡り議会で虚偽の証言を行った罪を認めた。

こうしたタイミングでトランプ大統領がプーチン氏と会談を行えば、ホワイトハウスに対する批判が強まる可能性があった。

トランプ大統領はまた、G20首脳会議の合間にサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談する意向はあるものの、スケジュールが許さないと述べた。

*内容を追加しました。

[ワシントン/米大統領専用機上 29日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本のCEO
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月1日号(6月24日発売)は「世界が尊敬する日本のCEO」特集。不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者……その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

赤沢再生相、26日にも再訪米 7回目の関税協議=関

ビジネス

米当局、テスラにロボタクシー巡り情報提供要請 ネッ

ワールド

不法移民の第三国移送、適切な手続き当面不要 米最高

ワールド

イスラエルのイラン空爆、国際人道法違反も=国連調査
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 8
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 9
    「水面付近に大群」「1匹でもパニックなのに...」カ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中