最新記事

貿易戦争

米中が通商協議継続で合意 具体性を欠く共同声明に疑問の声も

2018年5月22日(火)10時35分

今回、米国の貿易赤字削減に向けた合意を得るため、中国に知的財産権侵害の是正を求めて圧力をかける姿勢から転じたトランプ政権には疑問が投げかけられている。ZTEの制裁緩和についても不明なままだ。

ムニューシン財務長官は21日、ロス商務長官が来週中国を訪問し、米中両国が先週の通商協議で合意した大枠の最終化に向け協議すると発表した。ただ、最終合意には時間がかかるとみられている。

中国外務省の陸慷報道官は21日の定例会見で「中国は貿易やその他の分野において、米国との摩擦を望んでいない」と述べた。

中国市場における米企業に対する障壁の解消を求めていた一部の米業界団体は、今回のトランプ政権の対応に落胆している。在中国米商工会議所のトップを務めたジェームズ・ジマーマン氏は中国への制裁措置を猶予したトランプ政権の対応は時期尚早であり、米国の企業や従業員、消費者にとって「機会の喪失」を意味すると指摘。「中国側は、米国が具体的で意味のある譲歩を中国から引き出すことなく制裁から手を引いたと知って、ほくそ笑んでいる」と語った。

ゴールドマン・サックスはリサーチノートで、具体性を欠いた今回の共同声明について「中国側が通商協議を前進させる具体的な譲歩案を示したものの、他の部分を巡る意見調整が依然流動的なため、譲歩案を公表できなかったという可能性は排除しない」と指摘した。

[ワシントン 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マツダ、関税打撃で4━9月期452億円の最終赤字 

ビジネス

テスラ、巨大AIチップ工場を計画 インテルと提携も

ビジネス

3メガバンクなど、ステーブルコイン共同発行・検証へ

ワールド

各国首脳、気候変動対策の停滞に不満 米政府の姿勢も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中