最新記事

中東

イスラエル、シリアのイラン軍の全拠点に攻撃 ロケット弾発射受け

2018年5月11日(金)07時14分

 5月10日、イスラエルによると、シリアに展開するイラン軍は9日から10日にかけての夜間に、イスラエルが占領するシリア・ゴラン高原のイスラエル軍前哨基地をロケット弾で攻撃した。イスラエル側もシリアに大規模な攻撃を行った。写真はダラヤ上空を飛ぶミサイル(2018年 ロイター/ALAA AL-FAQIR)

イスラエルは10日、シリア国内に展開するイラン軍事基盤のほぼすべてを攻撃したと明らかにした。イラン軍はこれに先立ち、イスラエル占領地域に向けロケット弾を発射した。

イスラエルは、シリア国内にある数十のイラン軍拠点のほか、自国機撃墜に失敗したシリアの対空部門を破壊した。イスラエル軍報道官が公表した。

シリア国営メディアによると、イスラエルのミサイル数十発がレーダー基地1カ所や複数のシリア防空拠点、弾薬庫1カ所に着弾した。

シリア陸軍司令部によると、イスラエルの攻撃で3人が死亡、2人がけがを負ったという。英国に拠点を置くシリア人権監視団は、攻撃でシリア国民や外国人ら軍関係者23人以上が死亡したとの見方を示した。

米ホワイトハウスは声明で、イランがシリアから攻撃したことについて「挑発的」と非難し、イスラエルの自衛権を支持すると表明した。

イスラエルのネタニヤフ首相はビデオ演説で、イランは「越えてはいけない一線を越えた」と指摘、イランがシリア国内に軍事的な態勢を整える事態を容認しない考えを明らかにした。

イスラエルはイランのロケット弾20発について、防空システムで撃墜するか、占領するシリア・ゴラン高原の目標地点に達しなかったとの見方を示した。イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」が発射したとみている。

シリア外務省はイスラエルの攻撃について、自国に対する「侵略の新たな段階の幕開け」との認識を示した。

[エルサレム/ベイルート 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 岐路に立つアメリカ経済
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月3日号(5月27日発売)は「岐路に立つアメリカ経済」特集。関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中