最新記事

貿易

トランプ、韓国製品狙い撃ち? 洗濯機と太陽電池に緊急輸入制限発動

2018年1月23日(火)10時26分

1月22日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は声明で、トランプ大統領が家庭用大型洗濯機や太陽電池および太陽電池モジュールに対し、輸入を制限するための関税を課すことを承認したと発表した。写真はオレゴン州のソーラーパネル工場で15日撮影(2018年 ロイター/Natalie Behring)

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は声明で22日、トランプ大統領が家庭用大型洗濯機や太陽電池および太陽電池モジュールに対し、輸入を制限するための関税を課すことを承認したと発表した。

米通商法201条に基づく緊急輸入制限(セーフガード)発動はトランプ政権で初めて。

声明によれば、今回の承認は米国際貿易委員会(ITC)からの勧告を受けたもの。ITCは上記両製品について「国内メーカーに著しく悪影響を及ぼしている要因になっている」としていた。

導入1年目では、120万台までの輸入洗濯機に20%、それを超える台数には50%の関税が課される。導入3年目には税率はそれぞれ16%、40%に引き下げられる。

また、2.5ギガワットを超える太陽電池およびモジュールについては、導入1年目に30%の関税が課され、4年目までに15%に引き下げられる。

米家電大手ワールプールは韓国のサムスン電子<005930.KS>やLG電子<066570.KS>による洗濯機の不当廉売を訴え、政府に対応を求めていた。

ワールプールは、政府の決定を歓迎し、輸入制限によって長年にわたった訴訟が終わり、米国内で製造業の雇用が生まれるとの見解を示した。

一方で、今回の決定は、米サウスカロライナ州で洗濯機の生産を最近開始したサムスン電子や米テネシー州で洗濯機工場を建設中のLG電子にとって痛手となる。

LG電子は、米政府の決定に「非常に失望している」とし、同社が米国内に建設中の新工場における生産・雇用計画を妨げる決定だと指摘した。

サムスン電子は米政府の発表を受け、洗濯機に対する関税導入は米国の消費者と労働者にとって大きな損失だとし、「消費者は(商品の)選択肢が少なくなる一方、価格が上昇する事態に直面する」との見解を示した。

[ソウル/ワシントン/ロサンゼルス 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中マドリード協議2日目へ、TikTok巡り「合意

ビジネス

英米、原子力協力協定に署名へ トランプ氏訪英にあわ

ビジネス

中国、2025年の自動車販売目標3230万台 業界

ワールド

トランプ氏、首都ワシントンに国家非常事態宣言と表明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中