最新記事

イギリス

英ブレグジット「どの段階でも後戻り可能」 離脱条項起草者が明言

2017年11月14日(火)17時32分

11月10日、メイ英首相(写真)は有権者を間違った方向に導くのをやめ、英国がEUからの離脱(ブレグジット)交渉の破棄を一方的に決断すれば、ブレグジットは回避可能になると認めるべきだと、リスボン条約第50条の起草に関わったジョン・カー元英駐EU大使は語った。ロンドンで9日撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

メイ英首相は有権者を間違った方向に導くのをやめ、英国が欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)交渉の破棄を一方的に決断すれば、ブレグジットは回避可能になると認めるべきだと、リスボン条約第50条の起草に関わったジョン・カー元英駐EU大使は10日語った。

今年3月29日に同条約第50条を発動し、EUに離脱すると正式に通知したメイ首相は、ブレグジットを阻止しようとする議会内のいかなる試みも許さないと明言している。

50条を発動して、メイ首相は2年間の離脱プロセスを始動させた。これまでのところ、離脱交渉は好調とは言えない。賭けに出たメイ首相は6月、解散総選挙を実施したが、自身が率いる与党保守党は過半数を割り込んだ。

「離脱交渉が進む間、英国はまだEUの一員だ。和解は可能だ」と、1990年から95年まで英EU大使を務めたカー氏はロンドンで行ったスピーチで強調した。

「離脱プロセスのどの段階でも変更はできる」とし、リスボン条約第50条の法的義務は英国に誤って伝えられていたと同氏は指摘。「英国民は誤って導かれるべきではない、ということを知る権利がある」と述べた。

50条を発動した日、メイ首相は英議会で「後戻りすることはない」と述べ、10日には英国は2019年3月29日のグリニッジ標準時(GMT)午後11時にEUを離脱すると発表した。

2016年6月の国民投票では、有権者の51.9%がEUからの離脱を支持した一方、48.1%は残留を望んだ。

離脱派は、離脱プロセスを停止させることは民主主義に反すると主張。一方の残留派は、英国はどのような離脱交渉の結果に対しても最終的な判断を下す権利があるとしている。

もともとは離脱に反対する立場を取っていたメイ氏は、国民投票後の政治的混乱のさなかに首相に就任した。同氏は先月、英国は50条の発動を無効にしないと語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、AI政策で統一的枠組み 州規制の標準化狙う

ワールド

ロシア中銀が利下げ、政策金利15%に 中東情勢巡る

ビジネス

独連銀総裁、ECB利上げの可能性示唆 エネ高騰によ

ワールド

トランプ氏、日中が関与なら「素晴らしい」 ホルムズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中