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NY沖で待機の韓進海運の船舶、出港計画未定で入港も許可されず

2016年9月21日(水)19時10分

9月20日、法定管理(会社更生法に相当)を申請した韓国の海運最大手、韓進海運は、米ニューヨーク地域の港の外で待機している「韓進マイアミ号」の荷下ろし資金を調達した。写真の船舶は「韓進ローム号」。シンガポールの港で9日撮影(2016年 ロイター/Edgar Su)

法定管理(会社更生法に相当)を申請した韓国の海運最大手、韓進海運は、米ニューヨーク地域の港の外で待機している「韓進マイアミ号」の荷下ろし資金を調達した。だが、船舶の入港許可を得る以前に、どのように出港するかの計画がない、という新たな問題に直面している。

 韓進マイアミ号は、同社の経営破たんにより立ち往生している米国行きの船舶10隻の1隻。8月31日の韓進海運の法的管理申請を受けて、世界中の港湾では同社の船舶に対する入港や荷役の拒否が相次ぎ、物流網に大きな混乱が生じている。

 米国連邦海事委員のドイル氏は16日、韓進海運には韓進マイアミ号の入港資金があると述べた。だが、荷下ろしした後、空の貨物コンテナにバラスト(船底に積む重し)を入れるかどうかなど、出航方法が解決されていないため、韓進マイアミ号の入港は許可されていない。

 20日夕までに、交渉に詳しい情報筋2人が韓進マイアミ号は入港予定で、空のコンテナを積んで出航する見通しだと語った。船の追跡サイトは、22日に入港し、次の日に出港予定だと述べた。

 だが、マイアミ号が入港予定とされるニューアークのターミナルの運営関係者は、このコメントを拒否した。

 マイアミ号は現在、トムソン・ロイター・アイコンのデータによると、ニューヨーク沖約300マイル(480キロ)に停泊中。

[20日 ロイター]


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Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

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