最新記事

ポケモンGO

中国ポケモンGO人気の一方で脅威論も、「非公表の軍基地の探査も可能?」

2016年7月19日(火)10時05分

7月15日、任天堂のスマートフォンゲーム「ポケモンGO(ゴー)」をめぐり、中国では、米国や日本が中国を攻撃する際の「トロイの木馬」になりかねないとの懸念が浮上している。ニューヨークで11日撮影(2016年 ロイター/MARK KAUZLARICH)

任天堂<7974.T>のスマートフォンゲーム「ポケモンGO(ゴー)」をめぐり、世界最大のスマホゲーム、オンラインゲーム市場の中国では、米国や日本が中国を攻撃する際の「トロイの木馬」になりかねないとの懸念が浮上している。

ポケモンGOはスマホの位置情報機能を使い、画面を見ながら街中に隠れているポケモンのキャラクターを探して遊ぶゲーム。ユーザーの位置把握にグーグルマップを利用する。

中国では利用できないが、中国版ツイッター「微博」では「Pitaorenzhe」というユーザーが、「ポケモンGOで遊ぶな。米日が中国の秘密基地を探査できるようにしたものだ」と呼び掛けている。

任天堂が珍しいキャラクターを、プレーヤーが入ろうとしない地域に配置し、誰も探しに行かないようなら、そこはアクセスが制限され、軍事地域である可能性が推測できるという。

微博に転載されたあるソーシャルメディアの投稿は「戦争が起きれば、日米は簡単に誘導ミサイルの目標を設定できる。中国は日米合作ゲームの侵略によって破壊されてしまうだろう」と警告した。

ただ、ボイコットの呼び掛けや、中国ではいまだ利用できない状況にもかかわらず、ファンの関心はやまないようだ。

清華大学の学生、ガン・ティエンさん(22)は「最初の発表以来ずっと、ポケモンの仮想現実ゲームで遊ぶことを心底楽しみにしてきた」と語った。今は、ゲームが利用できる国々の人工マップを備えた非公式版でプレーを楽しんでいるという。

ただ、中国ではアプリストアにポケモンGOは存在せず、グーグルのサービスも禁じられているため、多くの中国人にとって、ゲームを利用するのは困難だ。

任天堂は中国でポケモンGOを配信するかどうか、明らかにしていない。

共同開発した米ナイアンティックのハンケ最高経営責任者(CEO)はこれまで、中国での配信は技術的には可能だとしながらも、規制が複雑だと指摘している。



[北京 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中