最新記事
運動

「週末だけでもいい」...認知機能低下を防ぐための「運動の頻度」とは?【最新研究】

Dementia: Scientists Reveal How Often to Exercise to Help Stave Off Decline

2024年11月3日(日)10時00分
ジェス・トムソン
運動する夫婦

Harbucks-shutterstock

<週末だけ運動する、いわゆる「週末戦士」がもっと多くの運動をする人と同等の効果がある可能性について>

週末に1~2回の運動を定期的に行うことが、平日にもっと多くの運動をするのと同程度に、認知機能の低下リスクを下げる可能性があることが「英スポーツ医学雑誌(British Journal of Sports Medicine)」の最新論文に掲載された。

週末だけ運動を行なう「週末戦士」は多忙なスケジュールに追われている人にとっても都合がよく、より現実的な運動習慣につながる。論文には以下のように記されている。

【関連動画】アメリカ国立老化研究所が勧める「15分間エクササイズ」 を見る


 

「認知症を患う世界的な人口は、2019年の約5700万人から2050年には約1億5300万人に増加すると予測されている。(略)これらの患者の割合は、イギリスや西ヨーロッパの他の国々で約75%増加し、メキシコや他の南米諸国では約200%増加すると予測されている」

認知症は、脳の神経細胞の損傷や喪失によって起こる認知機能の低下を示す一般用語である。最も一般的なのはアルツハイマー病で、タンパク質のプラーク(沈着物)が絡まり合った状態で脳内に蓄積する。

時間とともに進んでいく進行性であり、初期症状として名前や予定を忘れることなどが挙げられる。進行すると記憶の喪失、混乱、言語機能の低下、および自立喪失を伴う。

認知機能低下と認知症の最大のリスク要因は年齢である。また、食事、アルコール、喫煙、頭部外傷、睡眠、運動、社会的孤立もリスク要因とされる。

認知障害の修正可能なリスク要因を特定することで、発病を5年遅らせることができるという。しかし、現在のところ、その修正可能なリスク要因に関するエビデンスは、ほぼ先進国の研究から得られたものであると研究者らは述べる。

メキシコの首都メキシコシティで1998年から2004年、および2015年から2019年のデータを使用し、運動習慣と認知機能の関連について、次の4つのグループに分けて研究者らが分析した。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、大型減税法案可決をアピール アイオワ州

ワールド

IMF、スリランカ向け金融支援の4回目審査を承認

ビジネス

ドイツ銀、グローバル投資銀行部門で助言担当幹部の役

ビジネス

ドイツ自動車対米輸出、4・5両月とも減少 トランプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 8
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 5
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 6
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中