最新記事
健康ライフ

「高齢者は粗食にしたほうがよい」は大間違い、肉を食べないとがんのリスクが上がる理由

2024年5月8日(水)18時43分
和田 秀樹 (精神科医)*PRESIDENT Onlineからの転載
「ごはんにみそ汁、納豆、漬けものが体によい」は大間違い…日本人がもっと積極的に食べるべき健康食材

polkadot_photo - shutterstock

<ごはんにみそ汁、納豆、漬けものが体によい?...その食事では圧倒的に不足する栄養素がある。今、日本人がもっと積極的に食べるべき健康食材とは?>

高齢者の健康によい食生活とはどのようなものか。

医師の和田秀樹さんは「アメリカの受け売りの医学情報として『日本人の高齢者は粗食にしたほうがいい』と伝えてしまうのは間違いだ。朝はごはんにみそ汁、納豆、漬けものといった低カロリーの粗食ではたんぱく質が不足し、見た目年齢を上げ、健康を害してしまう」という――。

※本稿は、和田秀樹『60代からの見た目の壁』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。

【「高齢者は粗食にしたほうがよい」は大間違い】

今の高齢者は、自分の興味がある分野なら、本を積極的に読む人たちです。老後の生き方や、健康についてはとくに関心が高いので、私の本は売れるのだと思います。

健康分野の本は確かによく売れるようです。ところが、その内容が玉石混淆で、しかも「石」のほうが圧倒的に多いことが問題です。

健康分野の本は、医者が著者になっているものが多いのですが、その大半が「高齢者は粗食にしたほうがよい」といった誤った情報を流しています。

しかも、著者である日本の医者のほとんどは、アメリカからの受け売り医学情報をそのまま流し続けているので、読者もそれが正しいと信じています。

アメリカのようなとんでもない肥満の人がいっぱいいる国が、心筋梗塞で死ぬ人を減らすために、低カロリーの食事を勧めるのは正しいと言えます。

ところが、たいした肥満でもない日本人に低カロリーの粗食を勧めたら、栄養不足になってしまいます。

また、日本の医者は老人をちゃんと診ていません。老人をやせさせると寝たきりのリスクが高くなるのに、それがわかっている医者はほとんどいません。

私のように高齢者を専門に診たことがある医者が少ないから、今の高齢者の現状を知らない医者が多いのでしょう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国と推定される無人機、15日に与那国と台湾間を通

ワールド

中国、ネット企業の独占規制強化へ ガイドライン案を

ワールド

台湾総統、中国は「大国にふさわしい行動を」 日本と

ビジネス

持続的・安定的な2%達成、緩和的状態が長く続くのも
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中