最新記事

日本企業

日産、27日に退任したグプタ前COOの自宅に監視カメラを設置 社内セキュリティーチームが監視

2023年6月29日(木)12時30分
日産グローバル本社

日産自動車の内田誠社長がアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)執行役員(27日付で退社)を監視していたとの内部告発があった問題で、グプタ氏の自宅に同社が監視カメラを設置し、情報などを管理する社内のセキュリティチームがモニターできるようにしていたことが分かった。写真は日産グローバル本社。2018年11月、神奈川県横浜市で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)

日産自動車の内田誠社長がアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)執行役員(27日付で退社)を監視していたとの内部告発があった問題で、グプタ氏の自宅に同社が監視カメラを設置し、情報などを管理する社内のセキュリティチームがモニターできるようにしていたことが分かった。

事情を知る関係者2人が明らかにした。取締役らに先週示された内部告発に関する調査の初期報告に盛り込まれていたという。

取締役らが初期報告の説明を受けたのは、6月20日に横浜本社で開かれた取締役会。初期報告は内田社長兼最高経営責任者(CEO)が長期にわたってグプタ氏を監視したとするハリ・ナダ専務執行役員の内部告発を調査したもので、米法律事務所のデービス・ポーク・アンド・ウォードウェルがまとめた。取締役会では、グプタ氏に浮上していたハラスメント疑惑の調査についても話し合われたという。

ナダ氏の内部告発については、ロイターが24日に詳細を報じた。ナダ氏は独立社外取締役などに送った告発文書の中で、内田氏は仏ルノーとの関係見直し協議の条件に疑問を呈していたグプタ氏を排除しようとしたと主張している。

同関係者2人によると、内部告発に関する調査の初期報告は、都内にあるグプタ氏の自宅玄関に2台の監視カメラが設置されていたと説明。1台は警備会社の防犯カメラ、もう1台は日産のセキュリティチームがグプタ氏をモニターするために設置されていたと記していた。

同関係者らによると、日産が監視カメラを使ってグプタ氏を監視したことが違法かどうか初期報告は触れていない。監視されていることをグプタ氏が認識していたかどうかも詳細には説明していなかったという。ロイターはカメラの設置時期、もう一台のカメラを管理していた警備会社を特定できていない。

内田、グプタの両氏とも、初期報告の説明があった20日の取締役会に出席することを認められなかった。調査は独立社外取締役らの求めで5月下旬から始まっており、前出の関係者2人によると、最終報告は早ければ7月にもまとまるとみられる。

ロイターは日産にコメントを求めたが、調査中の案件については回答できないとした。日産を通じて取締役らにもコメントを求めたが、同社は応じなかった。デービス・ポークのコメントは現時点で得られていない。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

神田財務官、介入の有無にコメントせず 「24時間3

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり

ビジネス

米エリオット、住友商事に数百億円規模の出資=BBG
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中