最新記事

船舶

スエズ運河の座礁船、当局と正栄汽船が賠償で正式合意 7日に100日ぶりに出航へ

2021年7月5日(月)09時31分
スエズ運河で離礁したコンテナ船エバーギブン

エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が3月に座礁した事故で、船を所有する日本企業とスエズ運河庁の賠償交渉が正式に合意した。写真は3月、スエズ運河で離礁したコンテナ船エバーギブン(2021年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)

エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が3月に座礁した事故で、船を所有する日本企業とスエズ運河庁の賠償交渉が正式に合意した。船主と船の保険会社が発表した。運河庁は7月7日にコンテナ船が出航することを認めた。

コンテナ船「エバーギブン」は6日間にわたり座礁、国際物流に混乱が生じた。3月29日に離礁して以降、船と乗員はともに、運河内の湖に留め置かれていた。

船主の正栄汽船(愛媛県今治市)と保険会社の代理人を務めるスタン・マリンのファズ・ピアモハメド氏は文書で、船の解放に向けた準備が進められるとの見通しを示した。

運河庁は7日に式典を開いて合意契約に署名する予定で、参加者はエバーギブンの出航も見届けられると説明した。

スタン・マリンは合意の詳しい内容を明らかにしなかった。

オサマ・ラビ運河庁長官は合意の一環として、約75トンをけん引する能力があるタグボートを受け取ると述べた。それ以外の詳細には触れなかった。

正栄汽船と保険会社は先月、スエズ運河庁との賠償交渉で原則合意に達したと発表していた。

運河庁は離礁作業や風評被害、逸失収入に伴う損害賠償として9億1600万ドルを求めていたが、その後に5億5000万ドルに減額していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・スエズ運河の座礁事故が浮き彫りにしたコンテナ船の超巨大化リスク
・アマゾンに慣れきった私たちに、スエズ運河の座礁事故が教えてくれること
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、対日関税15%の大統領令 7日から69

ワールド

パナマ運河港湾、官民パートナーシップが引き継ぐ可能

ビジネス

アップル、7─9月売上高見通しが予想上回る 関税コ

ビジネス

完全失業率6月は2.5%で横ばい 有効求人倍率1.
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中