最新記事

米軍事

中国依存のレアアース、米国防総省が備蓄目指す 軍事用供給確保へ

2019年12月20日(金)16時54分

米国防総省が、対戦車ミサイル「ジャベリン」やF35戦闘機で使われるレアアース(希土類)磁石の備蓄を計画していることが、米政府文書で明らかになった。写真はカリフォルニア州で2015年6月撮影(2019年 ロイター/David Becker)

米国防総省が、対戦車ミサイル「ジャベリン」やF35戦闘機で使われるレアアース(希土類)磁石の備蓄を計画していることが、米政府文書で明らかになった。レアアース分野での中国の支配的地位を弱める狙いとみられる。

レアアース磁石は、ほぼ全面的にアジアで製造されている。ロイターが確認した文書で、米国防総省は、レアアースのネオジムを原料とする磁石について6カ月分の供給の備蓄を提案。事実上、関連企業にネオジム磁石の6カ月分の供給量を少なくとも30カ月間維持することを求める内容だ。しかしネオジム磁石製造への金融支援は盛り込まれておらず、業界アナリストや企業幹部は短絡的な措置と批判する。

テキサス州でレアアース磁石工場を建設しているアーバン・マイニング社の幹部は「国内生産能力を強化する措置を期待していた」と語った。

ロイターは前週、 軍事兵器・エレクトロニクス機器の製造に用いる鉱産資源の国内供給体制を確立するため、米軍がレアアース加工工場建設への投資を計画していると報じた。

今回確認した文書によると、国防総省はこのプログラムに1000万ドルを投じ、参画者には最大300万ドル、総額1000万ドルを提供する方針。プログラムへの応募締め切りは2020年1月22日となっている。

国防総省の要請は、ネオジム磁石製造に関する特許を持つ日立金属<5486.T>にプラスとなるとみられる。日立金属のコメントは得られていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏のスペースX、xAIを買収 宇宙・AI事業

ワールド

ロシア・ウクライナ協議順調とトランプ氏、近く「良い

ワールド

米、イランとの協議継続中=トランプ氏

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、金価格下落で安全資産買い 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 10
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中