コラム

拒食症、女性器切断......女性の恐怖・願望が写り込んだ世界

2016年04月12日(火)14時27分

孔雀としてのセルフポートレイト/“Rayuela ― 想像上の日記”シリーズ From Simona Ghizzoni @simona.ghizzoni

 写真は、とりわけ優れた写真家の写真は、音楽に非常に似ている。どちらも目に見えない何か――人間の感覚にぶつかる何かそのもの――を描き出そうとしている。中堅の写真家、イタリア人のシモナ・ギッゾーニも、そんな作品を創り出す一人だ。大半はフィルムで撮影している。

 彼女自身、もともとジプシーの血を引いた音楽家だった。だが、音楽そのものが彼女の写真を開花させたわけではない。大きなきっかけは二つある。一つは、彼女が20代半ばの頃に図書館で見つけたダイアン・アーバスの写真集。「社会からはみ出た」とレッテルを貼られた者たちを撮り続け、のちに自殺してしまった偉大なる女性写真家の作品に出合ったことだ。

 もう一つは、ギッゾーニ自身が10代の時に拒食症を患っていたことである。拒食症は、社会が生み出した女性への社会的暴力である、と彼女は言う。そうした経験が作品に大きな影響を与えているのである。

 また、ギッゾーニの作品スタイルで際立っているのは、ドキュメンタリーとパーソナルだ。この二つは彼女自身の一部であり、切り離すことはできない、とも語る。

Remembering Kenya

simona.ghizzoniさん(@simona.ghizzoni)が投稿した写真 -

FGM(女性器切除)関連のアンカット・プロジェクトで訪れたケニアのメモリーとして

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾立法院、米との武器取引契約巡り行政院に署名権限

ワールド

米財務長官、中国副首相と15─16日にパリで会談 

ワールド

台湾への新たな武器売却、トランプ氏の訪中後に承認か

ワールド

豪SNS規制、対象の16歳未満の5人に1人が依然利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story