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数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
集団感染を起こした病原菌の正体とは Corona Borealis Studio-shutterstock
<現在、感染経路の追跡が行われている>
[ロンドン発]英南東部ケント州カンタベリーとその周辺で髄膜炎の集団感染が発生、3月17日時点で少なくとも大学生1人とグラマースクール(公立進学校)の生徒1人が診断後に死亡。11人が重篤な状態になっている。人工昏睡に置かれている患者もいる。
英国健康安全保障庁(UKHSA)は感染源となったカンタベリーのナイトクラブを3月5日〜7日に訪れた人と感染経路を追跡。2000人以上の来場者に「予防措置」として抗生物質の服用を呼びかけるとともにケント大学の全学生1万6000人に注意文書を送った。
集団感染の規模と速度について専門家たちは強い懸念を示す。英イースト・アングリア大学のポール・ハンター教授は「髄膜炎とは脳を包んでいる膜に起きる感染症。ケント州の集団感染は髄膜炎菌によるものと考えられる」と指摘する。
髄膜炎と敗血症を同時に引き起こす
ハンター教授によると、侵襲性髄膜炎菌感染症は髄膜炎と敗血症(血液への細菌感染)を同時に引き起こす。2024~25年度には英国で378件の感染が確認され、31人(8.2%)が死亡した。侵襲性とは血流や脳といった本来、無菌であるはずの体の部位にまで感染が広がることを指す。
一命をとりとめても10〜20%は難聴、手足の切断、脳損傷といった長期的な障害を抱える。髄膜炎菌感染症のリスクは1歳以上の年齢層では年間10万人当たり1〜2人程度だが、自宅を離れて密集した環境で生活する15〜19歳の若者では感染リスクが高まる傾向がある。
「どの時点においても人口の約10%がこの菌を持っている。思春期の若者ではその割合がさらに高くなる。感染は同じ家に住んでいる人との接触や口と口が触れるようなキスなど密接な接触によって広がる」とハンター教授は注意を呼びかける。






