ニュース速報
ワールド

イスラエル高官、トランプ氏の人質解放要求を歓迎 ガザ住民は懸念

2024年12月04日(水)09時20分

パレスチナ自治区ガザの人質についてのトランプ次期米大統領の発言を巡り、イスラエルの政権幹部は歓迎の意向を示す一方、ガザでは情勢悪化への懸念が広がっている。写真は昨年10月のハマスによる奇襲で拘束された人質のポスター。ニューヨークで11月撮影(2024年 ロイター/Shannon Stapleton)

Crispian Balmer Nidal al-Mughrabi

[エルサレム/カイロ 3日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザの人質についてのトランプ次期米大統領の発言を巡り、イスラエルの政権幹部は歓迎の意向を示す一方、ガザでは情勢悪化への懸念が広がっている。

トランプ氏は2日、来年1月20日の就任式までにパレスチナ自治区ガザで拘束されている人質が解放されなければ、中東で「深刻な結果」がもたらされると警告した。

イスラム組織ハマスは、2023年のイスラエルへの奇襲攻撃で250人以上を人質に取った。一部は解放されたものの、約半数はガザで拘束が続く。少なくとも3分の1は死亡したとみられている。人質解放の交渉は進展していない。

イスラエルのネタニヤフ首相は閣議の冒頭で「トランプ氏は(他国のように)イスラエル政府ではなく、ハマスという正しいところに焦点を置いた」として謝意を示した。

スモトリッチ財務相も「人質を解放するには、理不尽な要求に屈するのではなく、ハマスと支援者への圧力と代償を増やして打ち負かすことだ」と述べた。

サール外相は「トランプ大統領、ありがとう」とXに投稿。人質の家族も謝意を表した。

一方、ハマスの幹部は、イスラエルのネタニヤフ首相が、収監中のパレスチナ人と人質の交換を巡る合意に向けたあらゆる取り組みを妨害してきたとし、「(トランプ氏の)メッセージはまず、この悪しき駆け引きを終わらせるために、ネタニヤフ氏と政権に向けたものと認識している」とロイターに語った。

ガザ住民の1人は、トランプ氏の投稿に衝撃を受けたと明かし「新政権による打開策に期待していたが、トランプ氏はイスラエル政権寄りで、今後さらに厳しい措置が取られそうだ」と述べた。

ガザの政治アナリスト、ラミズ・モガニ氏はトランプ氏の警告がハマスとその後ろ盾となっているイランの双方に向けられたものだと指摘。イスラエルはこれに勇気づけられ、ガザからパレスチナ人を追い出すだけでなく、ヨルダン川西岸の併合も試みる可能性があるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米軍がホルムズ海峡封鎖へ、イランは交渉に戻る見通し

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 2
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 3
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 10
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中