ニュース速報
ワールド

南アジアの24年成長率予想、6.4%に引き上げ インド内需好調=世銀

2024年10月10日(木)15時19分

 10月10日、世界銀行は、南アジアの2024年成長率予想を従来の6.0%から6.4%に引き上げた。写真は2023年4月、米ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ニューデリー/ロンドン 10日 ロイター] - 世界銀行は、南アジアの2024年成長率予想を従来の6.0%から6.4%に引き上げた。インドの国内需要の堅調、スリランカやパキスタンなど経済危機に見舞われた国の急速な景気回復を理由とした。

インドの24/25年度(25年3月までの1年間)経済成長率予測は、4月時点の6.6%から7%に上方修正した。農業部門の生産回復と民間消費の拡大が後押しするという。

世銀のマーティン・レイザー南アジア担当副総裁は「インドでは経済をけん引する新興の消費者層が生まれており、スリランカとパキスタンでは危機からの回復が見られ、ネパールとブータンでも観光業主導で景気が回復している」とロイターに語った。

世銀は、南アジアが今後2年間、年間6.2%の力強い成長を遂げると予測している。

レイザー氏は、南アジア各国の経済が世界経済への統合が進むことで「大きな上昇余地」があるが、勢いを維持するためは経済改革を計画通り進める必要があると指摘した。

世銀は、パキスタンの今年度(7月からの1年間)の成長率予測を2.8%と、従来の2.3%から引き上げた。製造業の回復と金融緩和が成長を後押しする。

経済危機から脱却しつつあるスリランカは24年の成長率が4.4%、25年が3.5%と見込まれ、最も大幅な上方修正となる見通し。

ネパールの24/25年度(7月中旬開始)の成長率予測は4.6%から5.1%に引き上げられた。ブータンは5.7%から7.2%に上方修正された。

一方、バングラデシュの成長率予測は、このところの社会情勢不安による衣料品輸出の減少を反映し、24/25年度(7月からの1年間)の成長率予想は5.7%から4.0%に下方修正された。

世銀は、南アジア地域の女性の労働参加率を高めることを勧告した。現在、この地域の女性の労働参加率は世界最低の32%となっている。女性の雇用を男性と同水準まで引き上げれば、長期的には生産量を最大50%拡大できると指摘する。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中