ニュース速報

ワールド

北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発、日本EEZ外に落下 金氏外遊中

2023年09月13日(水)17時16分

 9月13日、防衛省は、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。写真は北朝鮮の旗。ジュネーブで2014年10月撮影(2023年 ロイター/Denis Balibouse)

Nobuhiro Kubo Josh Smith Soo-hyang Choi

[ソウル/東京 13日 ロイター] - 日韓の防衛当局は13日、北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発を東方向へ発射したと発表した。 いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外の日本海に落下したものとみられる。

専門家らによると、金正恩朝鮮労働党総書記の外遊中に北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは初めて。金総書記はロシアを訪問中で、同日午後にプーチン大統領と会談した。

日本の防衛省によると、最高高度は2発とも約50キロ、飛行距離は1発目が約350キロ、2発目が約650キロ。2発目は変則軌道で飛び、1発目についても軌道を分析している。

会見した松野博一官房長官は、北朝鮮に対して北京の大使館ルートを通じ厳重に抗議したとした上で、引き続き情報収集・分析や警戒監視に全力を挙げる考えを示した。日本はこの日、岸田文雄政権が内閣改造の作業を進めている。

米シンクタンク、スティムソン・センターの専門家マイケル・マッデン氏は、金総書記が外遊中にミサイルが発射されたことについて、北朝鮮では近年、金氏が電話でパスワードを伝えてミサイル発射を許可できる体制から、信頼できる代理人に権限を委譲できる体制に移行したようだと指摘。

「そうすれば金氏が攻撃で死亡したり、連絡が取れなくなったりした場合に、同氏に代わって代理人が核による反撃の権限を持つことになる」と解説した。

外遊中は、党幹部の趙甬元氏、崔竜海・最高人民会議常任委員長、妹の金与正氏らに権限が委譲される可能性があるとの見方を示した。

「それを念頭に置くと、きょうのミサイル発射は核(攻撃)の指揮統制のテストではなかったかもしれないが、金氏の不在中に初めてミサイルを発射したことは北朝鮮が権限委譲方式を決定したか、検討していることを示している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国海警局、尖閣周辺で哨戒と発表 海保は領海からの

ビジネス

韓国、半導体ファウンドリー設立検討 官民投資で31

ワールド

中ロ軍用機の共同飛行、「重大な懸念」を伝達=木原官

ワールド

ベネズエラ野党指導者マチャド氏、ノーベル平和賞授賞
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中