ニュース速報

ワールド

EU大統領、習氏にロシアへの「影響力」行使を再要請 首脳会談

2022年12月02日(金)00時16分

 12月1日、中国の習近平国家主席(写真右)は、欧州連合(EU)のミシェル大統領(左)と会談し、EUとの戦略的なコミュニケーションおよび協調を強化するとの意向を示した。写真は北京市で撮影。欧州連合提供(2022年 ロイター)

[北京 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)のミシェル大統領は1日、訪問先の中国・北京で習近平国家主席と会談し、ウクライナ侵攻を続けるロシアに「影響力」を及ぼすよう改めて要請した。

ミシェル大統領は会談後に記者団に対し、北京の人民大会堂で行われた約3時間に及ぶ会談ではウクライナでの戦争に関する議題に「多くの時間」が割かれたほか、貿易や気候、人権、コロナ禍からの回復、新疆ウイグル自治区や台湾に関する問題についても協議したと明らかにした。

ミシェル氏は「4月のEU・中国首脳会議で行ったように、ロシアに国連憲章を尊重させるために影響力を行使するよう習氏に促した」と語った。

これに対し習氏は、中国がロシアに武器を提供することはなく、核の脅威は容認できないことを明確にしたという。

中国全土に広がっているコロナ規制抗議デモについても協議したとしつつも、習氏の反応については明らかにしなかった。

また、EUの企業や投資家が中国で直面している問題についても伝え、「欧州側では市場アクセスが非常に開放的であるのに対し、中国では複数の分野でより閉鎖的な状態が続いている」とし、「より均衡の取れた関係が必要だ」と述べた。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると、習氏はミシェル氏に対し、EUとの戦略的なコミュニケーションおよび協調を強化するとの意向を示した。

習主席は会談で「EUが中国に対する客観的かつ正しい認識を確立する」ことを望むと述べた。

また「中国は欧州企業に対して開放的であり続ける。EUが干渉を排除し、中国企業に公正で透明なビジネス環境を提供することを望んでいる」とした。

習氏もCCTVも、干渉が具体的に何を意味するのか詳しくは説明しなかった。

習主席は、中国とEUはマクロ経済政策の協調を強化し、共同で新たな成長エンジンを作るほか、産業サプライチェーンの安全性、安定性、信頼性を確保すべきと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中