ニュース速報

ワールド

インドネシア大統領、ロシア・ウクライナ訪問で食料危機に照準

2022年07月01日(金)14時45分

ロシアのプーチン大統領は30日、モスクワでインドネシアのジョコ大統領と会談した。写真はジョコ大統領。代表撮影(2022年 ロイター)

[1日 ロイター] - ロシアとウクライナを訪問したインドネシアのジョコ大統領は、両国の紛争で生じた食料・肥料のサプライチェーン(供給網)混乱が緩和に向かうことに期待を示し、両国間の外交的な橋渡し役を務める考えを表明した。

ジョコ氏は6月30日、モスクワでロシアのプーチン大統領と会談。その後の共同記者会見で「ロシアとウクライナの双方からの食料と肥料の供給を保証すると述べたプーチン氏に本当に感謝している。これは良いニュースだ」と語った。

また「人類のために私はロシアの食料と肥料およびウクライナの食料を世界のサプライチェーンに復帰させる国連の取り組みも支持する」と述べた。

ジョコ氏はロシアからの肥料輸出やウクライナからの穀物輸出がなければ、世界の食料供給問題は改善しないという認識を示し、対ロシア制裁の影響が及ばないことを確実にするよう、今週ドイツで開かれた会議で主要7カ国(G7)首脳らに促したことも明らかにした。

ロシアとの協力を継続すると表明したほか、ウクライナとの紛争を巡り平和的解決に向けた動きが重要と改めて強調した。

プーチン大統領は、インドネシアの肥料需要に応える用意があるとしたほか、ロシアは国外におけるエネルギーや食料、肥料の供給契約に基づく義務を果たす意向と言明した。

ロシアはウクライナの穀物輸出を妨げていないとし「ウクライナ軍は港への経路に機雷を仕掛けているが、その機雷の除去を妨げるものは誰もいない。われわれはそこからの穀物輸送の安全を保証する」と述べた。

ジョコ氏はウクライナのゼレンスキー大統領からのメッセージをプーチン氏に伝えたことを明らかにし、インドネシアは両首脳の「コミュニケーションの橋渡し役」になる用意があると表明した。メッセージの内容については言及しなかった。

ジョコ大統領は6月29日にウクライナの首都キーウも訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー軍事政権は暴力停止し、民政復帰への道筋示

ワールド

香港住宅価格、9月は1.3%上昇 心理改善で6カ月

ワールド

台湾外交部長、米国との関係は「非常に安定」 米中首

ビジネス

ノバルティスCEO、120億ドルの米バイオ企業買収
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 7
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中