ニュース速報

ワールド

情報BOX:ロシアのSWIFT排除、その威力と世界への影響

2022年02月27日(日)08時41分

2月26日、 欧州連合(EU)と米国などはウクライナに侵攻したロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することなど、対ロ追加制裁を発表した。写真はSWIFTのイメージ。25日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)と米国などは26日、ウクライナに侵攻したロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することなど、対ロ追加制裁を発表した。

国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFTの機能やその重要性などをまとめた。

<SWIFTとは何か>

「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略で、国境を越えた迅速な決済を可能にし、国際貿易を円滑に行うためのシステム。このシステムに接続する銀行は、SWIFTメッセージを利用して支払いを行える。同メッセージは安全とされ、大量の取引を迅速に処理できる。

SWIFTは国際貿易における資金送金の標準的な手段となっており、2020年の年次報告によると、SWIFTプラットフォーム上では、毎日約3800万件の送金メッセージがやり取りされた。年間では何兆ドルもの資金が同システムで送金されている。

<SWIFTの誰のものか>

1970年代に設立されたSWIFTは、サービスを利用する数千の加盟機関の協同組合。本部はベルギーにあり、20年に3600万ユーロの利益を計上した。

<SWIFT排除がなぜ深刻なのか>

ロシアの銀行がSWIFTから排除されると、同国は世界中の金融市場へのアクセスが制限される。ロシアの企業や個人は、輸入品の支払いや輸出品の受け取り、海外での借り入れや投資が難しくなる。

ただ、電話やメッセージングアプリ、電子メールなど、他の決済チャネルは利用できる。その場合、制裁を科していない国の銀行を経由して支払いを行うことになるが、代替手段は効率性や安全性が低い可能性が高く、取引量の減少やコスト上昇の可能性がある。

<他国への影響は>

輸出企業にとっては、ロシアへの商品販売のリスクとコストが増加する。ロシアは製造業製品の大口購入国で、世界銀行のデータによると、オランダとドイツはロシアにとって2番目と3番目の貿易相手国。

ロシア製品の買い手もより困難に直面し、代替サプライヤーの模索を迫られる。

ただ、ロシア産の石油とガスについては、代替供給国を見つけることが難しいとみられる。欧州委員会によると、ロシアはEUにとって原油、天然ガスなどの主要な供給国。

<SWIFTは経済制裁に拘束されるのか>

SWIFTはベルギーと欧州連合の規則に拘束される。

EUは12年3月、イラン核開発計画を巡り制裁対象になったイランの企業や個人へのサービスをSWIFTに禁じた。対象には中央銀行や大手銀行も含まれた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で

ワールド

全米で反トランプ集会 移民政策やイラン戦争に抗議 

ワールド

米国防総省、イランで数週間にわたる地上作戦を準備=

ワールド

日曜●アングル:トランプ氏製造業政策の「光と影」、
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」
  • 4
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 10
    「酷すぎる...」ショッピングモールのゴミ箱で「まさ…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中