ニュース速報

ワールド

香港行政長官、中国の「愛国者」による統治計画に支持表明

2021年02月23日(火)15時00分

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は23日、「愛国者」による香港統治を確実にするための中国の計画に支持を表明、中国への憎悪感情をなくし、「一国二制度」という香港の統治モデルを維持するために必要な計画だとの認識を示した。香港で1月撮影(2021年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 23日 ロイター] - 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は23日、「愛国者」による香港統治を確実にするための中国の計画に支持を表明、中国への憎悪感情をなくし、「一国二制度」という香港の統治モデルを維持するために必要な計画だとの認識を示した。週に1度の定例記者会見で述べた。

中国国務院香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任は22日、香港の選挙制度を改革し、民主派の影響力をさらに低下させる可能性を示唆。香港の統治は「愛国者」によってのみ可能だとし、「愛国者」とは中国やその憲法、共産党を愛する人で、反中「トラブルメーカー」は含まれないと述べた。

これは、2020年6月に中国が香港への統制を強める香港国家安全維持法(国安法)を制定して以降、香港が取ってきた権威主義をさらに強固にする措置となる。

林鄭長官は23日、香港の高度な自治を維持する「一国二制度」の合意の下で1997年に香港が英国から返還されて以降行われてきた一連の反政府抗議運動を列挙。

民主化を要求し親中政府が提案する法案を阻止する抗議運動は2019年の大規模デモで頂点に達したとし、こうした動きは中国および香港当局への「憎悪」をあおると強調した。

記者団に対し「これらの一連の出来事は中央政府に懸念をもたらし、行政長官としての私にとっても懸念事項だ」と指摘。「『一国二制度』が実行できないほど状況が悪化するのを食い止めるためには、中央政府レベルで問題に取り組む必要がある」と述べた。

香港の選挙制度改革は3月に発表される見通しで、立法会(議会)選での民主派勢力の出馬制限などにつながるとみられる。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、FRBの政治介

ワールド

ウクライナ、和平計画の「修正版」を近く米国に提示へ

ビジネス

米10月求人件数、1.2万件増 経済の不透明感から

ワールド

スイス政府、米関税引き下げを誤公表 政府ウェブサイ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中