ニュース速報

ワールド

ファイザーのワクチン、英・南アのコロナ変異種にも効果=実験

2021年01月08日(金)14時11分

 米製薬大手ファイザーが行った実験によると、同社と独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンは、英国や南アフリカで見つかった感染力の高い新型コロナ変異種にも効果があるもようだ。ロサンゼルスで7日撮影(2021年 ロイター/Lucy Nicholson)

[ニューヨーク 7日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーが行った実験によると、同社と独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンは、英国や南アフリカで見つかった感染力の高い新型コロナ変異種にも効果があるもようだ。

ファイザーは米テキサス大学医学部の研究者らと実験を実施。査読(ピアレビュー)を受けていないが、この実験では、ヒトの細胞に感染する際に重要な役割を果たすスパイクタンパク質に「N501Y」と呼ばれる変異が見られるウイルスを中和する効果が示されたという。

ファイザーのウイルスワクチン研究者の1人であるフィル・ドーミッツァー氏によると、この変異は感染力の高まりに関連している可能性があり、ワクチンが誘発する抗体の中和作用を回避する機能を担っている可能性も懸念されてきた。

実験はワクチンを投与された人から採取した血液を使って行われた。感染力の高い変異種に見られる全ての変異に対して実施したものではなく、結果は限定的だ。

ドーミッツァー氏は、ファイザーがこれまでに実験の対象とした15の変異に加えて今回の変異にもワクチンが有効であるとみられることは心強い発見だと指摘。「われわれは16の異なる変異に対して実験を行い、いずれも大きな影響を示さなかった。これは良いニュースだ」と述べた。その上で、「17個目の変異もそうなるとは限らない」とし、南アの変異種に見られた「E484K」という変異についても懸念を示した。

研究者らは英国と南アの変異種に見られた他の変異についてワクチンの有効性を確認する同様の実験を行う計画で、数週間以内にさらなるデータを得たい意向という。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中