ニュース速報

ワールド

香港の民主活動家、黄之鋒氏に禁錮13カ月半の判決 周庭氏も実刑

2020年12月03日(木)03時10分

香港の裁判所は2日、昨年の大規模抗議デモにおける違法な集会を巡り、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏に禁錮13カ月半の実刑を言い渡した。写真は黄氏(右)と林朗彦氏(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 2日 ロイター] - 香港の裁判所は2日、昨年の大規模抗議デモにおける違法な集会を巡り、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏に禁錮13カ月半の実刑を言い渡した。活動家に対する今年の判決で最も厳しい内容となった。

黄氏は 昨年6月に警察本部近くで違法な集会を開催し参加をあおった罪を認めている。

判決が言い渡された後、黄氏は「これからさらに厳しくなると思う。われわれは諦めない」と叫んだ。また、後に弁護士を通して「戦いの終わりではない。香港の民主主義と自由のために戦う多くの勇敢な活動家とともに、刑務所で戦いに参加する」とコメントを発表した。

共に活動していた周庭(アグネス・チョウ)氏は同様の罪で禁錮10カ月、林朗彦氏は禁錮7カ月の量刑を言い渡された。共に罪を認めている。周庭氏は判決を聞いて泣き崩れたという。

判決後にアムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋地域のディレクター、ヤミニ・ミシュラ氏は判決について「有名な活動家を標的にして、公然と政府を批判する人に警告を送っている」と非難した。

英国のラーブ外相は、香港や中国の当局に対し、反対運動を抑圧する運動をやめるよう要求。「検察当局の決定は公正かつ公平でなければならず、香港市民の権利と自由は守られなければならない」と訴えた。

米上院議員のマーシャ・ブラックバーン氏は、人権弾圧と香港の自治の破壊行為だとして中国を批判。「黄之鋒には信念を貫いていただきたい。あなたは世界に散らばる自由の戦士たちにとって真の励みなのだから」とした。

台湾の与党、民主進歩党(民進党)は声明で「中国共産党と香港政府は、香港の自由が死んだと宣言したに等しい」と断罪した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、来年は積極的なマクロ政策推進 習氏表明 25

ワールド

フィンランド、海底ケーブル損傷の疑いで貨物船拿捕 

ビジネス

トランプ・メディア、株主にデジタルトークン配布へ 

ワールド

台湾、警戒態勢維持 中国は演習終了 習氏「台湾統一
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 5
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 10
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中