ニュース速報

ワールド

豪中銀の政策措置、所期の効果を発揮=当局者

2020年09月17日(木)12時54分

 9月17日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の国内市場部門トップ、マリオン・コーラー氏は、コロナ危機で落ち込んだ豪経済を支援するために中銀が打ち出した金融刺激策は、金利の押し下げと信用促進で効果を発揮しているとの認識を示した。写真は2016年3月撮影。(2020年 ロイター/David Gray)

[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)の国内市場部門トップ、マリオン・コーラー氏は17日、コロナ危機で落ち込んだ豪経済を支援するために中銀が打ち出した金融刺激策は、金利の押し下げと信用促進で効果を発揮しているとの認識を示した。

中銀は3月半ばの臨時会合で政策金利を過去最低の0.25%に引き下げ、無制限の国債買い入れプログラムと金融機関向けの低利の資金供給策を打ち出した。

コーラー氏は講演で、規制当局、統計局、金融業界を巻き込む新たなデータ収集プロジェクトが、金融部門がどのように新型コロナウイルスの世界的大流行に対応しているかについて理解を高める一助になってきたと説明。経済情勢および3月以降の中銀の政策措置の有効性を早い段階で分析するのに役立っているという。

「データは、中銀の政策が借り入れ金利を歴史的低水準に押し下げ、融資を促進するのに役割を発揮してきたと示している」とした。

金融政策が効果を表している証しとして、住宅ローン申請がここ数カ月で増加したことを挙げた。

ただ、中小企業向けの融資はコロナ流行が始まった当初からほとんど変わっていない。現在の不透明感が強い環境で新規融資への需要が弱まっていることが背景にあるとみられる。

コーラー氏は「一部の企業は新規借り入れに消極的かもしれない。この不透明感が将来的な売上高の期待値、ひいては債務返済能力の見通しに影響を与えているからだ」とした。

「銀行も企業への融資により慎重になっている。とりわけ、新興企業とコロナ流行で最も影響を受けている業種の企業に対してそう言える」とした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

来年のIPO拡大へ、10億ドル以上の案件が堅調=米

ビジネス

英中銀、5対4の僅差で0.25%利下げ決定 今後の

ビジネス

ノバルティスとロシュ、トランプ政権の薬価引き下げに

ビジネス

中国の鉄鋼輸出許可制、貿易摩擦を抑制へ=政府系業界
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中