ニュース速報

ワールド

米小売業界、抗議デモ暴徒化で店舗閉鎖 コロナ禍に追い打ち

2020年06月01日(月)11時39分

 6月1日、米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警官の暴行によって死亡した事件への抗議デモが全米各地に広がり、暴徒化したデモ隊による略奪などが相次ぐ中、小売大手のターゲットとウォルマートは31日、各地の店舗を閉鎖したことを明らかにした。写真はアメリカで5月撮影(2020年 ロイター/LUCAS JACKSON )

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警官の暴行によって死亡した事件への抗議デモが全米各地に広がり、暴徒化したデモ隊による略奪などが相次ぐ中、小売大手のターゲットとウォルマートは31日、各地の店舗を閉鎖したことを明らかにした。

新型コロナウイルスの感染拡大抑制策で店舗休業を強いられた米小売業界にとって、一段の打撃となる可能性がある。

抗議活動はニューヨークやシカゴなどで暴徒化。地元メディアによると、ロサンゼルスでは高級ショッピング街にあるアレクサンダー・マックイーンの店舗が略奪にあったほか、グッチの店舗では富裕層を標的とした落書きが見られた。

高級店舗が多数入る近隣のショッピングセンターでも、百貨店のノードストロームやアップルの店舗が被害にあった。ノードストロームはロイターに対し、31日に全店舗を一時閉鎖したと明らかにした。「一部の店舗が被害を受け、状況を精査している」とした上で、「できるだけ早期の営業再開を目指している」と表明した。

アップルも、米国内の複数店舗を31日は閉鎖するとしたが、対象店舗の数や閉鎖期間延長の可能性には言及しなかった。

ターゲットは200以上の店舗で閉鎖や営業時間短縮といった措置をとると発表。閉鎖の期間は明らかにしなかった。

同社はロイターに対し、デモの発端となった事件が起きたミネアポリスの現場近くの店舗では安全のため入口などを木の板で覆う作業を始めたとし、同店舗については年内の営業再開を目指す考えを示した。

ウォルマートの広報担当者は、29日の抗議デモを受けてミネアポリスとアトランタの一部店舗を閉鎖し、31日午後5時に数百店舗を閉鎖したと発表。「それぞれの店舗や周辺地域の状況を日々精査した上で決定を行う」と述べた。

アマゾン・ドット・コムは状況を注視しているとした上で、「従業員の安全を確保するため一部の都市で配送業務の縮小やルート変更を行った」と明らかにした。

パー・スターリングのディレクター、ロバート・フィップス氏は「(抗議活動による)社会不安が小売りや外食などの業界に痛手となり、消費者・企業心理にさらなる打撃を及ぼす可能性がある」と指摘。「混乱が継続・拡大すれば、投資家心理に大きな影響を及ぼす可能性もある」との見方を示した。

米国では新型コロナに伴う外出制限の影響で小売売上高が統計開始以来の大幅な落ち込みを記録しており、第2・四半期の米経済成長は1930年代の大恐慌以来の大幅なマイナスとなる見通しだ。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中