ニュース速報

ワールド

香港理工大に依然100人立てこもり、行政長官「平和的解決を期待」

2019年11月20日(水)02時56分

 11月19日、香港政府に抗議する学生デモ隊が占拠し、警官隊が包囲している香港理工大学では、キャンパス内に依然として約100人のデモ隊が残っている。 写真は大学のキャンパスで治療を待つデモ参加者。香港で撮影(2019年 ロイター/Adnan Abidi)

[香港 19日 ロイター] - 香港政府に抗議する学生デモ隊が占拠し、警官隊が包囲している香港理工大学では、キャンパス内に依然として約100人のデモ隊が残っている。

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は19日、記者会見で、大学のキャンパスが「武器工場」になってしまったことにショックを受けているが、理工大での立てこもりが平和的に解決されることを期待すると述べた。

その後、「夜8時までに約300人の未成年者が安全に退去した。キャンパス内にまだ残っている他の未成年者も即刻退去してほしい。あなた方の帰りを家族は待ちわびている」とインターネット交流サイトのフェイスブックに投稿した。

警察発表によると、午後11時までに約800人が大学構内から退去した。過去24時間での逮捕者数は約1100人。この日病院に搬送された負傷者は約235人に上った。

現場のロイター記者によると、十数人のデモ参加者が大学の下水道施設からの脱出を図ったが、失敗に終わった。身をかがめてトンネル内に進入しようとしたものの、トンネルが狭すぎたという。キャンパスから退去した20歳の学生は「警察が全員を逮捕する方針なのは明らかだ」と述べた。

香港の高等法院(高裁)は前日、デモ参加者がマスクなどで顔を隠すことを禁止する覆面禁止法に違憲判断を下したが、これに対して中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は、香港の裁判所には「覆面禁止法」などの合憲性を判断する権限ないと表明した。新華社が19日伝えた。

香港警察のトップである警務処長に就任したクリス・タン氏は、警察だけでは抗議デモを沈静化させることはできないとして香港市民に支持を求める一方、「偽ニュース」が香港警察の評判をおとしめていると訴えた。

同氏は「香港では大規模な法律違反がみられる。社会の一部もそうした違法行為を認めている」と述べた。

18日夜には、数十人のデモ参加者らがロープを伝って歩道橋から幹線道路に下りて脱出する様子が見られた。道路には複数のバイクが待機しており、脱出したデモ参加者らを乗せて逃走した。

九龍半島の中央部に位置し、繁華街にも近接する香港理工大は、デモ隊が占拠している最後の大学となっている。デモ参加者らによると、キャンパス内では食料などの物資が急速に減っている。

抗議活動への参加者は最近、数こそ減っているとされるが、先週、警察がデモ隊に実弾を発砲したり、抗議活動に反対する男性が何者かに火をつけられるなどの事件が起きた後、デモ隊と警察の衝突は激化している。

デモ隊は建物に放火したり、九龍半島と香港島を結ぶ海底トンネルを封鎖するなど、抗議活動をエスカレートさせている。

一部の列車は運休し、九龍半島の多くの道路が閉鎖されたままだ。すべての学校が19日も休校となった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、25年12月は9.3%低下 

ワールド

ジャーナリストの投獄、世界で330人と依然高水準 

ワールド

デンマーク外相、トランプ氏の武力不行使発言を評価 

ワールド

FRB議長候補は「就任すると変わる」、トランプ氏が
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 3
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 10
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 8
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 9
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中