ニュース速報

ワールド

香港デモで初の死者、強制排除で学生転落 大学は独立調査要求

2019年11月09日(土)04時53分

 11月8日、香港で今月4日に行われた抗議活動に参加し、警察の強制排除の最中に建物から転落したとみられる男子大学生が8日朝、死亡した。写真は抗議活動に参加する卒業した学生。香港で7日撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[8日 ロイター] - 香港で今月4日に行われた抗議活動に参加し、警察の強制排除の最中に建物から転落したとみられる男子大学生が8日朝、死亡した。6月から続いている一連の抗議活動で、強制排除中に死者が出たのは初めてで、警察に対する市民の反発が強まり、香港情勢は今後さらに緊迫するとみられている。

病院当局によると、死亡したのは香港科技大学のコンピューターサイエンス学部に在籍する男子学生の周梓楽さん(22)で、けがが原因で8日早朝に死亡した。

周さんが負傷した際の詳しい状況は明らかになっていないが、警察によると、新界地区の駐車場内で、警官らが強制排除を行っていた最中に建物の高層階から低層階に転落したとみられる。

抗議活動の参加者の多くが、周さんが搬送された病院に集まって祈りを捧げたり、病院の壁などにメッセージを残したほか、香港各地の大学で抗議集会が開かれた。ショッピング街の銅鑼湾(コーズウェイベイ)では大勢の人々が警察の暴行に抗議し、「黒警」と叫びながら道路を封鎖した。

香港科技大は、周さんを病院に搬送する際、警察車両に救急車の進入が阻まれた結果、救急隊員らは徒歩での現場到着を余儀なくされ、搬送が20分遅れたと指摘。その上で周さんの死亡原因を特定する独立調査を要求した。

香港政府は遺憾の意を表明した。

警察当局の報道官は目に涙を浮かべ、早急に真相究明に当たると約束し、市民に冷静な行動と自制を求めた。警察側は救急車の進入は妨害していないとしている。

犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案が発端となった反政府デモは、民主化を要求する大規模な活動に発展し、同案が正式に撤回された後も続いている。

*英文の修正より、強制排除中に初の死者が出たことを明確にしました

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:戦闘で労働力不足悪化のロシア、インドに照

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    【インタビュー】「4回転の神」イリヤ・マリニンが語…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    中国の砂漠で発見された謎の物体、その正体は「ミサ…
  • 9
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 10
    機内の通路を這い回る男性客...閉ざされた空間での「…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中