ニュース速報

ワールド

第3四半期タイGDPは前年比+4.3%に加速、前期比は+1.0%に鈍化

2017年11月20日(月)13時51分

 11月20日、タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、季節調整済みで前期比1.0%増となり、ロイターがまとめた市場予想(0.75%増)を上回った。写真はバンコクで10月撮影(2017年 ロイター/Athit Perawongmetha)

(内容を追加しました)

[バンコク 20日 ロイター] - タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.3%増と、伸び率は2013年第1・四半期以来4年半ぶりの高水準を記録した。ただ、季節調整済み前期比では1.0%増に鈍化、依然さえない内需を支えるため緩和的な金融政策が維持される見通しだ。

今年のタイ経済は輸出と観光業がけん引してきたが、弱い内需や大規模インフラ事業の遅れを背景に、他のアジア諸国の成長率を下回っている。

第3・四半期GDPはロイターがまとめた市場予想(前年比3.8%増)を上回った。第2・四半期のGDPは、前年比3.7%増から3.8%増に改定された。

第3・四半期の前期比伸び率も、市場予想(0.75%増)を上回った。第2・四半期は、前期比1.3%増から1.4%増に改定された。

キャピタル・エコノミクスはタイ経済について「堅調に推移する」見込みだとし、輸出についても「好調が続く」との見方を示した。

NESDBは、2017年のGDP予想を3.5─4.0%増から3.9%増に修正。輸出の見通しは5.7%増から8.6%増に修正した。

2018年の予測は、GDPが3.6─4.6%増、輸出が5.0%増。

ロイターがまとめたGDPの市場予想は、2017年・18年とも3.6%増。2016年の実績は3.2%増だった。

通貨バーツが約2年ぶりの高値水準にあるにもかかわらず、タイの輸出はテクノロジー関連の好調を背景に2017年に改善している。第3・四半期の輸出は前年同期比12.5%増加した。

タイ中央銀行は2015年4月以降、政策金利を1.50%に据え置いている。次回の政策会合は12月20日に予定。

大方のエコノミストは落ち着いたインフレ動向を踏まえ、2018年まで金利据え置きを見込んでいる。

GDP:

Period Q3/17 Q2/17 Q1/17 Q4/16 Q3/16

Pct change

Q/Q (s/a) 1.0 1.4* 1.3 0.5 0.5

Y/Y 4.3 3.8* 3.3 3.0 3.2

*改定値

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官

ビジネス

中国、自動車下取りに補助金 需要喚起へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中