ニュース速報
ビジネス

米輸入物価、3月は‐0.1% エネルギー価格低下で24年9月以来の下落

2025年04月16日(水)03時18分

米労働省が15日発表した3月の輸入物価指数は前月比0.1%下落した。写真はニュージャージー州エリザベス港に入港する貨物船。9日撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)

Lucia Mutikani

[ワシントン 15日 ロイター] - 米労働省が15日発表した3月の輸入物価指数は前月比0.1%下落した。エネルギー製品の価格低下を背景に、昨年9月以来の下落となった。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は2月から横ばいの0.4%上昇だった。2月は0.2%上昇と、0.4%上昇から下方改定された。

前年比では、3月は0.9%上昇。2月は1.6%上昇だった。  

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏はトランプ政権が製造業の国内回帰を目指す中、米経済は厳しい移行期を迎える可能性が高い」と指摘。「現時点で輸入価格はインフレの押し上げにそれほどつながっていないが、将来の見通しは依然として非常に不透明だ」と述べた。 

3月の輸入燃料価格は2.3%下落。2月は1.6%上昇していた。貿易摩擦の激化が燃料需要に悪影響を与えるとの懸念から、原油価格は下落している。   

食品価格は0.1%上昇。2月は横ばいだった。 

燃料と食品を除くコア輸入価格は0.1%上昇。前年比では1.1%上昇だった。米国の主要貿易相手国通貨に対してドルが大きく軟化しているため、さらなる上昇が予想される。

輸入資本財価格は0.3%上昇。2月は0.1%下落だった。

輸入車、部品、エンジンの価格は0.1%下落。自動車を除く輸入消費財は0.2%下落した。

国別の輸入物価は、中国が0.2%下落と、2月の0.1%下落に続いた。前年比では0.9%下落した。

一方、日本は0.5%上昇。欧州連合(EU)は横ばいとなった。カナダは1.5%、メキシコは0.3%、それぞれ下落した。

ブリーン・キャピタルのチーフエコノミックアドバイザー、ジョン・ライディング氏は「中国製品への20%の関税引き上げや鉄鋼・アルミニウムへの25%関税など、3月に賦課された関税は、価格にさらに上乗せされることになる」と述べた。

オックスフォード・エコノミクスのシニア・エコノミスト、マシュー・マーティン氏も「米ドルは昨年10月以来の安値水準にあることから、海外から商品を購入する生産者のコストは一段と上昇するだろう」と述べた。 

一方、輸出価格は3月は2月の0.5%上昇から横ばいとなった。

農産物輸出価格は横ばい。大豆価格の上昇が小麦と米の価格下落を相殺した。

非農産物輸出価格は0.1%下落。自動車、資本財、消費財の輸出価格は上昇した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中