ニュース速報
ビジネス

通商政策など不確実性高い、賃金・物価の好循環「ステップは確認」=小枝日銀委員

2025年03月26日(水)19時09分

 3月26日、日銀の小枝淳子審議委員は就任会見で、先行きの金融政策運営について「通商政策を含めて不確実性は大きい」と述べた。写真は、日本銀行本店。2023年9月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 26日 ロイター] - 日銀の小枝淳子審議委員は26日の就任会見で、先行きの金融政策運営について「通商政策を含めて不確実性は高い」と述べた。日銀が目指す「賃金と物価の好循環」は「ステップが確認されてきている」と評価する一方で、物価動向については、足元のインフレが基調インフレを上回って推移しているが、審議委員として初めて参加する4月30日―5月1日の金融政策決定会合までに「いろいろデータを見ていきたい」と話すにとどめた。

基調的な物価については、さまざまな指標を見ても2%目標に向かっているとの認識も示した。

小枝委員は学者出身で、これまで金利のモデル分析などに取り組んできた。

中立金利については「金融政策のスタンスを見る上でとても大切な変数だが、直接観察できるわけではない」と述べ、推計結果だけでなく、データやモデル、仮定の特徴についても議論してみたいと話した。

6月に行う国債買い入れ減額計画の中間評価については「市場関係者や執行部の話をしっかり聞いた上で、分析も見させていただき、判断していく」と述べた。国債保有量をどこまで縮小していくべきかについても、同様の回答で「これまで見ていなかった情報やエビデンスを見ながら、執行部や他の委員ともよく議論させていただきながら判断していきたい」とした。

日銀は昨年3月にマイナス金利を解除し、7月には利上げを行って「金利のある世界」が復活した。小枝委員は「金利のある世界になってからそこまで年月が経っていない中、日本経済がどう反応していくか、しっかり見届けていく必要がある」と語った。ただ「利上げを急がないという意味でも、利上げを急ぐという意味でもない」と付け加えた。

小枝氏は、任期満了で25日に審議委員を退任した安達誠司氏の後任として、26日付で審議委員に任命された。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みんなそうじゃないの?」 投稿した写真が話題に
  • 4
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 7
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中