ニュース速報
ビジネス

レバノンで爆発の機器、台湾企業「権利持つブタペスト会社が製造」

2024年09月18日(水)17時19分

 9月18日、台湾企業ゴールド・アポロは、レバノンで17日に起きた爆発に使われたポケットベルについて、自社が製造したものではないと説明した。創業者の許清光氏(写真)が記者団に語った。写真は台湾の新北市で18日撮影(2024 ロイター/Ann Wang)

Ben Blanchard

[新北(台湾) 18日 ロイター] - 台湾企業ゴールド・アポロは18日、レバノンで17日にポケットベルが一斉に爆発したことを巡り、ブダペストに拠点を置くBACコンサルティングが製造したと明らかにした。ゴールド・アポロはライセンスを供与しただけで、製造には関与していないと説明した。

レバノンに拠点を置く武装組織ヒズボラの戦闘員らが利用しているポケベルのような通信機器が相次いで爆発し、少なくとも9人が死亡、3000人近くが負傷した。同国の治安当局高官と別の関係者はイスラエルの情報機関モサドが数カ月前に、ヒズボラが発注した台湾製機器5000個の内部に少量の爆発物を埋め込んだとの見方を示した。

破壊された機器の画像をロイターが分析したところ、ゴールド・アポロ製のポケベルと一致する形式や背面のステッカーが写っていた。

ゴールド・アポロの創業者、許清光氏は新北のオフィスで記者団に「その製品は当社のものではない。われわれのブランドが付いているだけだ」と語った。

ゴールド・アポロは声明で「BACが特定地域の製品販売に当社の商標を使用することを認めたが、製品の設計と製造はBACが全面的に担当している」と説明した。

許氏はBACからの送金については中東経由で行われ、「非常に奇妙だった」と述べたが、それ以上の詳細は語らなかった。

関係筋によると、ヒズボラの戦闘員はイスラエルに位置情報を把握されないようにポケベルを使い始めた。

許氏はポケベルをどのように遠隔操作で爆発させたかは分からないと話した。

許氏が記者団に対応している間、警察と台湾経済部(経済省)の関係者が同社を訪れた。

同省は台湾からレバノンへポケベルを直接輸出した記録はないとの声明を発表した。

許氏はゴールド・アポロも今回の出来事の被害者だとし、BACを訴える考えを明らかにした。

「われわれは大企業ではないかもしれないが、責任ある会社で非常に当惑している」と述べた。

※システムの都合で再送します。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中