ニュース速報

ビジネス

日銀は金利変動幅拡大可能、持続的な物価目標達成前でも=IMF

2023年01月26日(木)20時31分

国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者を務めるラニル・サルガド氏は26日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀はインフレ率が目標の2%に持続的に達する前でも、債券利回りをより柔軟に変動させる措置を検討できるとの認識を示した。本店前で昨年6月撮影。(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon/File Photo)

[東京 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者を務めるラニル・サルガド氏は26日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀はインフレ率が目標の2%に持続的に達する前でも、債券利回りをより柔軟に変動させる措置を検討できるとの認識を示した。

長期金利がより柔軟に変動するようになれば、日銀はインフレの上振れリスクと下振れリスクの両方に対処でき、大量の債券購入によって引き起こされた市場のゆがみを解消するのに役立つ、と語った。

「われわれはこれが(日銀の)緩和的なスタンスを本当に変えるとは思っていない。むしろ、金融市場への影響に対する実体経済への影響のバランスを幾分取るためだ」と述べた。

「また、将来的な短期金利の引き上げに向けた移行が開始しやすくなる」と指摘した。

一方、短期金利の引き上げは当面ありそうになく、賃金が上昇を続け、持続的なインフレ目標達成につながるという明確な証拠がある場合にのみ検討され得るとの考えを示した。

日銀が大規模な刺激策をどの程度のペースで終了させることができるかについては「実際のところ、重要なのは賃金がどうなるかだ」と指摘。非正規労働者の賃金は上昇し始めているが、終身雇用の下で正規労働者には賃金上昇の勢いはまだ波及していないと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 4
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中