ニュース速報

ビジネス

前場の日経平均は大幅続落、早期の米利上げ思惑でリスク回避

2021年06月21日(月)12時12分

 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比983円21銭安の2万7980円87銭となり、大幅に続落した。都内で2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 21日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比983円21銭安の2万7980円87銭となり、大幅に続落した。米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けて米利上げ前倒しの思惑から株安となった前週末の米株式市場でのリスク回避の流れを引き継いだ。 

前週末の米国株式市場では、ブラード米セントルイス地区連銀のタカ派発言が嫌気され、主要3指数がそろって下落した。同総裁は、FRBが金融政策の引き締めを早める方向にシフトしたことは、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応との認識を示し、利上げを「2022年終盤に開始すべき」と主張した。

日経平均は朝方から幅広く売られ、大幅続落で始まった。米株価指数先物がマイナス圏で推移したことも重しとなって、寄り付き後も下値を探る動きが継続。東証1部は値下がり銘柄が90%を占め、全面安の展開となった。東証33業種はすべて値下がりした。日経平均は5月20日以来の安値、2万8000円を割り込んで一時1000円超安に下落した。

グロース株もバリュー株も売られ、市場では「先物主導の下げ」(国内証券)との見方が出ていた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄で日経平均を約190円押し下げた。

目先の上値の重さが意識される一方、「テーパリング(緩和縮小)もまだこれからであり、現時点で連続利上げを織り込んでいく状況ではない。早期の利上げの思惑をいったん織り込めば、相場は落ち着いていくだろう」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との声も聞かれた。

TOPIXは2.55%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆4302億4800万円だった。東証33業種の下落率上位はゴム製品、保険業、化学工業などだった。

東証1部の騰落数は、値上がりが166銘柄、値下がりが1985銘柄、変わらずが42銘柄だった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中