ニュース速報

ビジネス

ECB、大規模な量的緩和維持 PEPP縮小は「時期尚早」

2021年04月23日(金)00時22分

欧州中央銀行(ECB)は22日、定例理事会を開き、新型コロナウイルスによる影響が続く中、景気の下支えに向け、大規模な量的緩和の維持を決定した。写真はECB本部。2020年7月撮影(2021年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は22日、定例理事会を開き、新型コロナウイルスによる影響が続く中、景気の下支えに向け、大規模な量的緩和の維持を決定した。金利も予想通り現行水準に据え置かれた。ラガルド総裁はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の段階的な縮小について「時期尚早」とし、議論していないと表明した。

PEPPの規模は1兆8500億ユーロのままで、期間は2022年3月末まで継続。買い入れは「かなり速いペース」で行うと確認した。

ラガルド総裁は記者会見で「明らかに改善の兆しが見られる」と指摘。「ワクチン接種の進展と今後予想される感染拡大抑制策の段階的な緩和で、2021年を通して経済活動は力強く回復するとの見通しが裏付けられている」と述べた。

一方で、新たな変異株の感染拡大や資金調達条件を巡るリスク、低迷するセクターへの圧力継続などにより、全体的な状況は「なお不透明だ」と強調した。

声明を受け、独10年債利回りはマイナス0.25%と0.5ベーシスポイント(bp)上昇した。

ECBは声明で「今四半期のPEPPの下での買い入れは今年の初めの数カ月と比べてかなり速いペースで実施すると理事会は予測している」とし、3月時と同様の方針を示した。

ラガルド総裁は、今後のPEPPの縮小計画について問われ、いかなる判断も「データに依存」し、特定の時間軸には縛られないと回答。「今回の理事会では、PEPPの段階的な縮小に関する議論はなかった。時期尚早だからだ」と述べた。

現行の買い入れペースでは来年3月に予定されているPEPP終了前に買い入れ枠を使い果たす可能性が高く、6月10日の次回理事会での協議が注目される。

今回の理事会では、中銀預金金利をマイナス0.50%、主要政策金利を0.00%で維持した。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G20首脳会議が開幕、米国抜きで首脳宣言採択 トラ

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中