ニュース速報

ビジネス

経済・物価、コロナの影響などで引き続き下振れリスク=日銀総裁

2021年04月14日(水)16時43分

 4月14日、日銀の黒田東彦総裁は、日本経済は新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状況だが、「基調としては持ち直している」との認識を示した。日銀本店で3月撮影(2021年 時事通信)

[東京 14日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は14日、都内で開かれた信託大会であいさつし、日本経済は新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状況だが、「基調としては持ち直している」との認識を示した。

今後、経済は改善基調を継続し、物価もプラスに転じるとみているが、こうした見通しは「まん延防止等重点措置」の影響を含めて「引き続き下振れリスクが大きい」と述べた。

総裁は、対面型サービス部門は下押し圧力の強い状況にあるものの、全体では、3月の日銀短観の業況判断が3四半期連続の改善となるなど、持ち直しの動きが維持されている、と指摘した。

先行きは外需の回復や政府の経済対策の効果などで景気が回復。当面マイナスが続く見通しの消費者物価の前年比も、経済の改善に伴ってプラスに転じ、上昇率を高めていく、との見方を示した。ただ、将来の見通しは感染症の影響を中心に下振れリスクが大きいという。

政策面では、今後とも、強力な金融緩和措置を通じ、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めると述べた。

3月決定会合において「貸出促進付利制度」を創設したことや、長期金利の操作目標「ゼロ%程度」について変動幅がプラスマイナス0.25%程度であることを明確化したこと、ETF買い入れを柔軟に行うことなどを決めた、とも語った。こうした政策対応を通じて、2%の物価安定目標の実現を目指す考えを改めて示した。

(杉山健太郎)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中マドリード協議、2日目へ 貿易・TikTok議

ビジネス

米FTCがグーグルとアマゾン調査、検索広告慣行巡り

ビジネス

中国新築住宅価格、8月も下落続く 追加政策支援に期

ワールド

北朝鮮、核兵器と通常兵力を同時に推進 金総書記が党
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中