ニュース速報

ビジネス

政策点検通じ、市場の信認勝ち得ていくことが重要=片岡日銀審議委員

2021年03月03日(水)16時39分

 日銀の片岡剛士審議委員は3日、群馬県金融経済懇談会(オンライン形式)に出席し、日銀が現在行っている金融政策の点検について、まずは現行の各種施策が経済や物価に与える効果を十分に分析、検証しなくてはならないと述べた。写真は2017年7月、東京の日銀本店で撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 3日 ロイター] - 日銀の片岡剛士審議委員は3日、群馬県金融経済懇談会後の会見で、日銀が現在行っている金融政策の点検について、各種施策が経済・物価に与えた効果について分析、検証することが必要だと指摘した。それを踏まえた上で今後の政策運営の方法を示し、市場の信認を勝ち得ていくことが重要だと述べた。

片岡氏は、2%の物価安定目標の早期達成に向け、以前からより緩和を強化すべきだと主張している。市場には、低金利環境が続けば金融機関の貸出金利低下、利ザヤ縮小を通じて金融仲介機能にも悪影響が及ぶという指摘もあるが、片岡氏は「私の主張しているような政策を行うことによって金融仲介機能が損なわれるとは考えていない」と語った。

足元の米長期金利上昇は、米政府の財政政策やコロナワクチンの導入などによって先々の景気が浮揚するとの期待が背景にあると指摘。日本の長期金利については「突発的に金利が上昇する場面があれば弾力的な措置を講じることもあり得るが、現行はそこまでの状況とはみていない」と述べた。

1都3県の緊急事態宣言が延長になった場合、飲食やサービス業などの業務の制限が見込まれ、同業界に影響は持続するだろうと述べた。大きな影響が出たり、先々に懸念が出てきたりした場合は、4月の展望リポートで経済見通しを修正していくことになると語った。

*内容を追加しました。

(杉山健太郎 編集:青山敦子)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

東南アジア諸国、米高関税適用受け貿易交渉強化へ

ビジネス

カンタス航空、600万人情報流出でハッカーから接触

ワールド

豪首相、12日から訪中 中国はFTA見直しに言及

ビジネス

ドイツ輸出、5月は予想以上の減少 米国向けが2カ月
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 10
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中