ニュース速報

ビジネス

国内超長期債や外貨クレジットへの投資を拡充=住友生命運用計画

2020年10月23日(金)19時17分

 10月23日、住友生命保険は2020年度下期の一般勘定運用計画について、国内では超長期債への投資を増やし、海外では高格付けで相対的に高利回りの外貨建てクレジット資産への一段の投資を進める方針を明らかにした。都内で2009年撮影(2020年 ロイター)

[東京 23日 ロイター] - 住友生命保険は23日、2020年度下期の一般勘定運用計画について、国内では超長期債への投資を増やし、海外では高格付けで相対的に高利回りの外貨建てクレジット資産への一段の投資を進める方針を明らかにした。

国内投資を巡る環境については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が徐々に緩和することで緩慢ながらも景気は持ち直すものの、物価上昇率が低位にとどまる中、現行の金融政策の枠組みが維持されると想定され、国内長期金利は低位で推移すると予想する。

住友生命の運用企画部長、藤村俊雄氏は「低金利環境が継続する見通しの下、国内金利の上昇局面を捉えて超長期債への投資を積極化し、国内金利リスクの削減を推し進める」と述べた。

国内公社債全体では、上期の金利上昇局面で前倒しで投資したため、下期は上期と同程度、またはそれ以下の積み増し規模になるという。

上期は国内公社債を1800億円、国内株式を900億円それぞれ積み増したほか、外国証券を6900億円積み増した(うち4700億円が公社債、2200億円が株式など)。

また、新型コロナの世界的流行により一段と際立つ世界的な低金利環境の中では、収益向上のため外貨建てクレジット資産やリスク性資産への資金配分を増やしていく予定だ。

米国金利については、緩和的な金融政策や米大統領選の不透明感などから当面はもみあいでの推移を予想。米大統領選後は、不透明感の後退や大規模な財政政策による国債増発を背景に、緩やかに上昇する展開を予想する。

為替ヘッジ付き外債は、高いリターンが見込まれる外貨建て事業債への投資を中心に米欧を中心とする信用力の高い銘柄への投資を計画するが、ソブリン債などの償還・売却が多いため下期は減少する見込みだ。

オープン外債では外貨建て保険販売見合いでの投資を行うが、千億円単位の増加を見込み、相対的に高いリターンが期待できる米ドル建て、豪ドル建ての債券を中心に買い入れを行う方針。

国内外の株式は、中長期的に割安と考えられる水準での買い入れを検討する。新型コロナの感染動向や米大統領選等への警戒感から株価は一時的に下落する局面はあるものの、大規模な財政・金融政策に支えられ、再度の大幅な調整には至らず底堅く推移するとみている。

国内株式や投信等は、相場動向にもよるが1000億円弱の増加を見込み、外国株式や投信等は、外貨建てクレジット資産への投信形態での投入もあり千億円単位の増加を見込んでいる。

2020年度の見通し(レンジ、年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.20─0.20%(0.00%)

米国10年債利回り    0.40─1.30%(0.90%)

日経平均         2万0000─2万7500円(2万3500円)

米ダウ          2万4000─3万0500ドル(2万8000ドル)

ドル/円         100―112円(108円)

ユーロ/円        115―135円(127円)

(森佳子 植竹知子 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中