ニュース速報

ビジネス

米景気回復、追加財政策なければ頓挫の恐れ=シカゴ連銀総裁

2020年09月23日(水)02時19分

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は22日、議会が新型コロナウイルス追加対策を可決させなければ、米経済がさらなるリセッション(景気後退)に陥ることはなくても、景気回復の足取りが緩慢になる恐れがあると警告した。ワシントンのFRB本部で2012年4月撮影(2020年 ロイター/JOSHUA ROBERTS)

[22日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は22日、議会が新型コロナウイルス追加対策を可決させなければ、米経済がさらなるリセッション(景気後退)に陥ることはなくても、景気回復の足取りが緩慢になる恐れがあると警告した。

エバンズ総裁はロンドンに本拠を置くシンクタンク、公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)が主催したオンラインイベントで、「財政支援は実に基本なものだ」とし、米失業率が来年末までに5.5%に低下するとの自身の予測は、新型コロナウイルスワクチンの実用化だけでなく、少なくとも1兆ドル規模の財政支援策が実施されるという仮定に基づいていると指摘。「財政支援策がなければ、景気後退に向けた力学が一段と深刻な形で増大する」と述べた。

FRBが一段の量的緩和を実施する可能性は否定しなかったものの、近い将来に実施されるとは考えていないと明確に表明。「資産購入を拡大する場合、タームプレミアムのさらなる縮小やポートフォリオバランス効果という観点で何を目指しているのかという判断をしなければいけない」とした上で、「偏見を持たず、こうした議論をしていく」と述べた。

FRBは毎月1200億ドルの国債とモーゲージ担保証券(MBS)を買い入れており、10年債利回りがまだ低水準にあるだけでなく、FRBは極めて積極的な新たなフォワードガイダンスを採用していると述べた。

また、平均して2%のインフレ率を目指す新たな目標について、いつの時点からの平均とするのかを含め、FRBは議論を詰める必要があると指摘。ただ他のFRB当局者と同様、決められた方式があるわけではないと強調し、「平均2%になる前に利上げすることは可能」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中